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広臣の専属運転手に頼んで愛奈をピアノレッスンまで送ってもらう。
パパである広臣にいってきます!とはにかんだ笑顔を見せて家を出て行った。
愛奈が履いてた靴は、広臣の友達の岩田剛典さんの会社で作られた革靴。
よく広臣も履いてたなぁ、出会った時もマドラスの靴履いてた。
昔の思い出に浸っていると、後ろから温もりを感じた。
「Aごめんね、いつも。
愛奈、すごく大きくなってた。驚いたよ。」
耳元にかかる広臣の吐息と低い声。
私より身長の高い彼は結構腰を曲げないと、バックハグはできないはず。
「愛奈、話すようになったんです。笑うようになったし。
愛奈、ちゃんとお母さんに会えてますか?」
愛奈の成長を伝えるとともに私が一番疑問に思ってたことをぶつけると、
広臣は息を飲んで大きく吐いた。
「愛奈、Aにも心を開くようになったんだな。安心した。
……Aは?Aは元気にしてた?」
そう言いながら私を玄関ホールの横の壁に押し付ける。
私の顔の横に手をついて反対の手で顎を掴む。
整った顔が近づき距離を取ろうとしても壁に背中がついているため、逃れることはできない。
「嫌がんないでよ。」
「嫌…っ」
喋っている途中にキスされた。
触れるだけではない長い長いキス。
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作者名:星華 x他1人 | 作成日時:2019年3月10日 16時