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靴を脱ぐのも、もどかしいのかいつもは整えるが、今日は置いたまま。
「A、愛奈は?」
「まだ寝てる。」
「この部屋を出てくれ。危ない。
必要な物だけ持ってすぐに岩田剛典のところへ逃げろ。
いいな?」
今までに見たことがない顔をして広臣が言う。
しきりに髪を気にしながら。
「不安、なんでしょ。」
は?とでも言いたげな顔をする。
「髪、ずっと触ってるから。」
「あ、そっか。俺そんなに不安なのか。
そう言えばさ、このネクタイ、覚えてない?」
無言になった私を見て広臣が言った。
「このネクタイさ、Aが選んでくれたやつなんだよ。覚えてないかもしんないけど。
今までは嫁にバレるかもってつけてなかったけど、今日はつけようって思って。
Aが近くにいてくれるって思えるし。」
と、優しい笑顔をして言った。
そのネクタイを私が選んだという記憶はないけど、
あの1年間の出来事なのかと思ったら嬉しくなった。
広臣の耳に珍しくピアスが付いてるのを見て思わず手を伸ばす。
「あ、これ?かっこいいっしょ。」
と言いながら右耳のピアスを外した。
そして私の右耳にピアスをつけた。
そして左手の薬指に付けられてた指輪を外し、ポケットにしまった。
広臣は右手の人差し指の指輪を別のポケットから取り出したチェーンに通した。
そのネックレスを持ってリビングを出て愛奈の眠る部屋に向かった。
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作者名:星華 x他1人 | 作成日時:2019年3月10日 16時