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朝早く。
まだ愛奈が眠らぬ森の美女のように眠っている頃。
変な予感がした。嫌な予感。
愛奈が誰かに奪われてしまうようなそんな予感。
そんな思いを抱いてベットから出る。
なぜかわからないけど、この部屋を出る準備をしなきゃと思い、愛奈に必要な物を取り出した。
最近、愛奈のトイレトレーニングがうまくいき、オムツをあまり使わなくて良くなった。
けれど、一応持っていく。
この部屋に前からある白のスーツケース。
その中の片一方に買い置きのオムツ一袋を入れて残ったスペースにパンツやおもちゃを入れた。
私のも愛奈のも服はどこでも買える。
今は生活に必要なもの、印鑑や通帳、私の保険証を持っていく。
愛奈の保険証はこの部屋にはない。
手提げなどのバッグだと置き忘れがあったりするかもしれない。
ウエストポーチに印鑑、通帳、保険証を入れて広臣が置いていく封筒に入った札束を入れる。
そこまで準備したところで部屋のインターホンが鳴る音がした。
玄関まで来て鍵を開けると、スーツ姿の広臣がいた。
今までつけてるのを見たことがないネクタイを締めて。
「開けて。話がある。」
その低い声を聞いて嫌な予感が当たったんだと悟った。
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作者名:星華 x他1人 | 作成日時:2019年3月10日 16時