『私変人共と部屋に閉じ込められました』【銀.魂】3

【愛でろ】神威 ページ17

バナナ 様 リクエストありがとうございます！
　


『神.威くん、頭のそれは、』



「ンー、耳だネ」



『しっぽも生えてるね、』



　目を覚ませば、神.威くんの頭から猫のような耳が生え、うねうねとしっぽが動いていた。いや、まさか、と目をこすってもう一度確認してみてもしっかりと動いているソレらに少しだけ興奮していた。



　動物には好かれない方だが、動物はとても好きなので─こんな形ではあるが─頭に手を伸ばせば普通に避けられた。でもどうしてそんなものが？本人に聞けば起きた時から合ったらしい。



「邪魔。引きちぎっていい？」



『いやいやいや』



　落ち着いてくれ。それに痛いのは神.威くんだし、何より見てるこっちがなんか嫌だ。と何とか神威くんを説得してそのままでいて貰えた。



　お題に二人で目を通す。【愛でろ】。神.威くんが猫化している所を見れば対象は神.威くんだろう。何がとは言わないが珍しいな。



『じゃあ、屈んで欲しいんだけど、』



「Aが頑張りなヨ」



　此奴…、自分が標的だからって私に当たって貰っちゃ困るわけだ。背伸びをしたら頭に届くくらいの身長差の神威くんと私。其れを阻止するように神威は腰を反らせている。



　意地でもさせない気だ。この後に仕事が迫っている私からすればものすごく迷惑なのだが、神威くんは一向に私に耳を触らせてくれない。別に触りたいわけじゃないけどね。お題なだけ。私は最終手段に出ることにした。



『出られたら好きなだけご飯奢ってあげるから！！』



「！…言ったネ」



　出費のゴールが見えんが、ここを早く出るためだ。今日の客は新規。自営業で、従業員が一人という胡散臭さを極めている掃除屋の私にとって、新規にリピートしてもらえるかが勝負。遅刻なんてもってのほかだ。



　座る神.威くんの足の間に膝を着いて頭に手を伸ばす。耳に指先が当たると触角と一緒にぴくん、と動いた。



『わ、ふわふわ、かわいー、』



「嬉しくないんだケド」


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