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「っと、危ねェ、」
『っ、ど、うも、』
「あぁ、つっても、まだ出れねぇみてぇだ」
えぇ、と情けなく阿伏兎さんの方に体を預ける私。とことんいじめたいらしいよこの部屋。ぐ、と阿伏兎さんが私の肩を掴んで壁に押し付ける。
『!?』
「細ぇなァ」
心配そうに眉を八の字に下げて、私の顎を片方の手で掴んだ。先程と同じように顔を反らせて、耳に口付ける。耳の輪郭を歪めるように噛んで舐った。
『っあ、うぅ…っ、』
腰が抜けた私は全体重を阿伏兎さんの膝に支えられている。抵抗なんて出来るわけもなく、ただ微力で阿伏兎さんの服にしがみついていた。
『〜っ、やっ、っぶとさッ、膝、』
「…、」
ぐりぐり、と押し上げるように上がってくる膝に慌てて肩を叩くが制止してくれるわけでもなく、私の耳を転がして弄んでいる阿伏兎さん。耳元で響く水温に塞ぎたくなる。
ぎゅ、と目を塞げば、すぐ側で長いため息が零される。阿伏兎さんのものだ。膝が抜かれ、二人一緒にズルズルとしゃがみ込んだ。大きな手で顔を隠すように覆っている阿伏兎さん。
『あ、あの、』
ため息つきたいのは私だって話する??ピクリとも動かずにいる阿伏兎さん。ガチャりと扉の音が聞こえて、あ、と声を漏らした。
「…すまねェな、」
ぱ、と顔を上げた阿伏兎さんは少しだけ気まづそうに笑って、私の頭を撫でる。長い袖で、私の濡れた耳を優しく拭って立ち上がらせてくれた。
『ありがとうございます、』
「いや、…お前さん、あんまりああいうのはやめとけよ」
『ああ、いう?とは、』
「…男を焚きつけちまうからな」
だから何が??と首を傾げる私に阿伏兎さんはそれ以上何も言わず扉の方へと歩いて行った。慌てて追いかけて何の話ですか?と聞いても答えてはくれない。
「……こりゃぁ、団長との約束、守れそうにねぇなァ」
『?、なんか言いました?』
「なんでもねぇよ」
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あげたと思っていたら全然上げれてなかったでしたすみません🙇♀️
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トろさん(プロフ) - こいちごさん» かしこまりました! (2023年1月3日 13時) (レス) id: 52ab68bbcb (このIDを非表示/違反報告)
トろさん(プロフ) - 月華姫さん» かしこまりました! (2023年1月3日 13時) (レス) @page32 id: 52ab68bbcb (このIDを非表示/違反報告)
こいちご - 阿伏兎くらいのでTwitterでお願いします!Twitter更新したら教えていただくと助かります💦 (2023年1月3日 9時) (レス) id: 6c6c3f5d98 (このIDを非表示/違反報告)
トろさん(プロフ) - こいちごさん» 甘さ加減によっては占ツクであげられないのですが、鳴かせろシリーズは坂本さんくらいので占ツクにあげます!阿伏兎まで行くとTwitterで公開になるんですが、 (2022年12月26日 9時) (レス) id: 52ab68bbcb (このIDを非表示/違反報告)
月華姫 - こんにちは♪またリク宜しいでしょうか?「高杉と手を繋いだまま幻想的な迷路(ミラー系かイルミネーション系かお任せ)を抜け出さないと出られない」をお願い致します(__)今年もあと少し。新年もよろしくお願いします(__) (2022年12月26日 8時) (レス) id: 8f77e3b2d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トろさん | 作成日時:2022年8月30日 20時