【笑わせろ笑うな(認識逆転)】坂田銀時 志村新八 ページ31
Lime 様 リクエストありがとうございます
『えっ、つまり、』
「僕たちにはAさんを笑わせるよう指示がでてて、Aさんには笑うなって書いてあるように見えるってことですか!!?」
こんなこともできるのかよこの部屋、と頭を抱える。まるで逆転クオリアのようなことがこの看板で起こっている。まあ、状況が似ているだけで全く違うことなのだが
見る人によって内容が違うというのはすごくややこしい事には変わりない訳だ。まさに矛盾そのもの。笑わせたら出られるのか、笑わないでいたら出られるのか、
「まぁ、やってみるしかねぇな」
頭をガシガシとかく銀時にそうですね、と頷く新八くん。どっちにしろ辛いの私じゃん。とか思いながらも、ご丁寧に用意された準備室に入っていく二人の背中を眺めた。
隔てられた壁の向こうから二人の声が聞こえる。何を話しているのかは聞き取れない。ぼーっと待つ私の横に看板と一つのバケツとコップ一杯の水が出現した。【水を含め】、笑ったかどうかの判定基準ってことか。
『笑っちゃ出られないとかないことを願おう、』
「Aさーん!いいですか??」
『いいよー』
新八くんに返事をしてから水を口に含む。すぐ笑ったら吹き出るようにある程度パンパンにしてみた。ドアが開いて中から、一般的なお父さんの格好の銀時と駆け出し役者のような格好の新八くんが出てくる。
「ショートコント〜出演報告ー」
銀時が片手を上げてそう言えば二人とも向き合って役に入っていた。見えない扉から新八くんが部屋に入ってくる動作をすると銀時お父さんは新聞を見ているだろう仕草から顔を上げる。
「父さん!」
「どうした新八?」
「僕が所属してる劇団が、今度公演をするんですけど…」
「そりゃ、大変だなぁ〜…」
「実は…今回、僕も舞台に出る事になったんですよ!」
きらっきらの瞳でお父さんに報告する新八くんは、なんとも健気でそれを喜ぶ銀時も諸にお父さんだった。ここまではただの普通の芝居。どう落ちに運ぶのか。
「マジか!?良かったじゃねぇか!で、何の役なんだ?」
「黒子!」
「見えねぇじゃねぇか!!」
「……」
「……」
『…っぺ』
二人とも落ちがキまると私の顔を探るように見つめてくるので笑いたくてもなんだか笑えない。いや、笑っちゃダメなんだけどさ。私は用意されたバケツに口に入った水を吐き出して顔を上げる。
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トろさん(プロフ) - ニコさん» わあああほんとですね!誤字ってました…、教えて頂きありがとうございます!! (2022年10月2日 8時) (レス) id: 52ab68bbcb (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - 細かくてすいません…新撰組じゃなくて真撰組だと思います… (2022年10月2日 0時) (レス) @page49 id: 3cff96fe75 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - 細かくてすいません…新撰組じゃなくて真撰組だと思います… (2022年10月2日 0時) (レス) @page49 id: 3cff96fe75 (このIDを非表示/違反報告)
塩おにぎり(プロフ) - めちゃくちゃ嬉しいです!!😭😭😭主様天使! (2022年8月23日 21時) (レス) id: 75433748f1 (このIDを非表示/違反報告)
トろさん(プロフ) - 塩おにぎりさん» ありがとうございます😭😭近いうちに神威で描かせていただきますねっ!! (2022年8月23日 21時) (レス) id: 52ab68bbcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トろさん | 作成日時:2022年7月24日 18時