原作なんてクソ喰らえ ２

今だけは本心を ページ46

『やっと見つけた』



　初めて過去に来た時みたいに部屋で目覚めて、教室に行っても傑くんは居ないし、もしかしたら良くいる彼処にいるんじゃないかって来てみたけど。ほんとに居た。



　痩せてる、というか窶れてると言った方が正しいような彼の廃れた姿。理子ちゃんが死んで、１年後のあの描写だった。



『傑くん！』



　顔をあげた彼はまるで幽霊を見たような顔をして立ち上がると次の瞬間体が存在を確かめるように抱き締められた。



『えッッッ、すぐ、すす、傑くん！？』




　前世で恋をしていた相手に抱き締められ顔に熱が集まることはごく自然なことだと思う。。嬉しさと困惑で破裂しそうな頭と心臓。



　傑くんの早い心臓に何となく追い詰められてたんだなあ、なんて冷静になってきた頭で考えた。



『またなんか抱え込んでるの？』



「……」



『あれ、起きてる？』



　トントン背中を叩いてみても何も反応がなく、その状態が三分ほど続いてそろそろ苦しいなあ、と思いながら少し濡れたままの傑くんの髪をくるくる指に巻き付けていた。



「…はぁ、」



『あ、落ち着いた？』



　離れた体、それでも此方を見ようとしない傑くん。髪が長いのもあって俯いてしまえばもう見えない。



　あらら？



『傑くんー、なんか飲む？？』



「…コーヒー、」



『おっけーりんごジュースね』



「……」



　泣いた時は糖分だよ〜？なんて笑うと少し拗ねたような声で泣いてない。と返事が返ってきた。



『ほい、』



「ありがとう。」



『……』



「……」




『…傑くん、呪術師辞めたい？』



「！！」

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