お前の見据えるその未来は。 ページ33
「っ、馬鹿がッ、」
『…さと、る、離し、』
腕の中でまともな呼吸もままならないコイツを抱えて高専へ戻る。
呪霊自体は大した強さじゃなかった。コイツがすげー強ぇってのは見たら分かることで、遅れを取るなんてことはなかった。それでもコイツは呪霊を目の前にしてぶっ倒れた。
「おいッ！！」
『…っ、ひゅっ、』
酸素を求め口が開き、肺が大袈裟に上下している。当の本人の顔色は真っ青だ。すぐに雑魚呪霊を祓い、コイツを抱え麓にタクシーを呼ぶ。
『おろ、して！！まだっ…』
「死んじまったら元も子もねぇだろうが！！！」
そんなになってもまだ無理をしようとするコイツに腹が立つ。
何がお前をそんなに突き動かすんだよ。何のためにンな辛そうな顔してんだよ。
『っ、悟、』
ぎゅっ、と俺の服を力なく握り名前を呼ぶ。
小さく収まるこいつの体はカタカタと振るえて心做しか熱い。嫌な汗が身体中にまとわりついて焦りが逆撫でされる感覚。心臓がうるせぇ。クソが、
どうにかして早く高専に着かないものかと地団駄を踏むが何一つ変わらない。そんな時。大きな狐が俺達の前に現れた。
「こんっ、の！！今出てくんじゃねぇよ！！」
『！、まっ、て、葛葉、？』
「……」
狐は動かず敵意は感じられない。ゆっくりしゃがみ乗れと言わんばかりの目だ。俺は状況が読み込めず固まっていると腕の中のコイツは大丈夫、と狐に手を伸ばす。
「…信じていいんだな」
『う、ん…この子は…』
カクンッ、と限界が来たかのように気を失った。慌てて口元に顔を近づけると息はしたいるようだ。俺は半信半疑で狐の上に跨り、Aを抱え直した。
『のば、ぁちゃ、……まきさ、みんぁ、助け…』
うわ言のように、皆を助けると繰り返すA。なんでコイツは……。
狐に乗るといつの間にか高専について居て、急いで降りる、狐の方を振り返るとそこには何もいなくて吹き荒れる風にただ背中を押されている気がした。
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HOA(プロフ) - めっちゃ続き気になります…更新頑張ってください！ (10月2日 21時) (
レス) @page47 id: 8a892d4b08 (このIDを非表示/違反報告)
ぴかそ - はじめまして！めちゃくちゃ面白くて一気読みしちゃいました、、、！！続きめっちゃ気になりすぎて寝られないぐらいです！更新土下座待機してます！頑張ってください応援してますー！！ (2023年3月2日 11時) (レス) @page47 id: 515339af0b (このIDを非表示/違反報告)
すいー - うわぁぁあめっちゃ続き気になるぅwなんかめっちゃ"そうゆうことかー！"ってなりました！(笑)更新頑張ってください！ (2022年12月29日 15時) (レス) @page40 id: 7621d5ed60 (このIDを非表示/違反報告)
トろさん(プロフ) - シルバーさん» ほんとですね！！慌てて作ったので消しわすれました！！教えていただきありがとうございます！！ (2022年7月10日 19時) (レス) id: 52ab68bbcb (このIDを非表示/違反報告)
シルバー(プロフ) - ｵﾘ/ﾌﾗ立ってます。外して下さい。 (2022年7月10日 19時) (レス) id: 4df619e2e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トろさん | 作成日時：2022年7月10日 19時
