原作なんてクソ喰らえ ２

誰の怪我も ページ2

スタートの合図がかかって一斉に中間地点まで走る。



「例のタイミングで索敵に長けたパンダ班と恵班に分かれる。あとは頼んだぞ悠二」



『頑張れよ悠二！！』



　真希さんの真似をして語尾にハートをつけて見たら思った以上にキモかった。すまん



　バウッ、と玉犬が向かって走り出すと三級呪霊が飛び込んできて、真希さんが迎え撃とうとするのを伏黒くんが止めた瞬間、まるで猪のように木を吹っ飛ばしで突っ込んできた東堂先輩。



「いよぉーし！！全員居るな！！まとめてかかってこい！！」



　虎杖くんが東堂先輩に向かって膝蹴りをかまし、私たちは作戦通り二手に別れた。花御の事と虎杖が頭を潰されそうになる未来が心臓を騒ぎ立ててくる。



「東堂一人でしたね」



「やっぱ悠二に変えて正解だったな」



『はぁあ…大丈夫大丈夫……』



「あん？なんだA緊張してんのか？」



　ブツブツ自分に言い聞かせてると真希さんが片眉を上げて聞いてきた。何その顔イケメンすき



「お前前の任務でもそんな感じだったよな」



『ん〜、癇癪起こさないように気持ちを落ち着けてる？見たいな？』



「んだそれ」



　あはは〜と笑って三輪ちゃんと加茂っさんが足止めに来たので作戦通り二人に任せ、間を走り抜けた。



「今のうちに全呪霊祓ってこい！！」



『え、え頑張っときます！！』



　それは無茶ってもんだぜ真希さん、



　とりあえず中間地点に向かってボス呪霊倒しに行こ。その間に出会った雑魚呪霊祓ったらいいでしょ、と木を渡り、呪力を足に込め高く飛び呪霊を探す



『うわぁ！！たっけー！』



　呪力で底上げした脚力凄すぎでしょ！！



「ウギィ……、アガ、ガガガッ……、」



　着地地点には闇堕ちまっくろくろすけみたいなのがいたのでとりあえず祓った。新しいこと試す暇ないしなぁ、



　呪力を集めて一気に放出させるイメージでギュッと手を握れば呪霊の呪力が弾け飛んで消えた。



『確かこれで先生達のとこの札が赤く燃えるんだよね』



　ジャンジャカ祓っちゃお！



　進んで進んで林の中を走ってそろそろ誰かに合ってもいいんじゃないかなぁ、と思っていた矢先倒れ込む野薔薇ちゃんと電話をする桃ちゃんを見つけた瞬間、ドクン、と心臓が跳ねた。



大丈夫だ。頭ではわかってる。この世界に来て、身近になると今まで客観的だった感情が全て主観的になってしまう。



『…』



「あ、」

まだ平気→←続編！！

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