『私変人共と部屋に閉じ込められました』【銀魂】

【服を交換しろ】志村新八 ページ36

『わぁ、新八くん、もしかしてそれ狙った？？』



「んなわけないでしょ！？」



　目の前のお題内容が今の新八くんの格好を狙ったかのようなものだった。青の法被の背中にはハートマークが描かれその中心には〔通〕の文字。中にはさらしのみ。下は普通の袴。



「てっていうか！！なんでAさんそんなに余裕なんですか！？」



『え？こんなの下の下の下だよ。ほんと』



　遠い目をする私に新八くんはこの人も大変そうだな、なんて目を向ける。やめてますます悲しくなる。私だって好きでこんな部屋に閉じ込められてるわけじゃないんだ？？



『それじゃ、早くやろーか』



「やややややるって、言っても、し、仕切なんて、ない、し！！」



　林檎のように顔を赤くしている新八くん。確かに仕切りはないけれど、部屋の主からすればそれが醍醐味なのでは？



『んー、一応頼んでみる？』



「え、頼むって、」



『管理人ー、仕切用意してくれない？』



　語りかけてみたものの、なんの反応もなく部屋の中は静まり返った。前回のお風呂の時は用意されたのになんで今回はダメなの？？違いを教えて欲しいんですけど？？



『無理みたいだね』



「…まじですか」



『とりあえず背を向けて着替えよう』



「はい、」



　お互い反対方向を向いて服を脱ぎ、下着姿となる。新八くん今顔真っ赤そうだな、なんて他人事のように頭で考えていた。まぁでも私がこんなに冷静でいられるのは新八くんだからだろう。



　自分より慌てている人がいれば冷静でいられる。確かにそうだな。これが他の男共ならこうはいかなかっただろう。もしくはあと五年くらい経った新八くんだったのなら多少は慌てていた。



『脱げた？』



「い、一応」



『じゃあ、先に私はスカート渡すからサラシと、法被頂戴』



　見ないようにお互い手だけ後ろに向けて服を交換する。その時にちょん、と私の指先が新八くんの指先に触れる。



文字数

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す