・ ページ20
「…すまない、」
そう一言謝って私の頭に右手を抱え、左手は私の腰に回された。ぎゅう、と桂さんが私を抱きしめると身長差もあって少し踵が浮く。私もそれに合わせて桂さんの背中をきゅ、と掴んで支えてもらった。
ピッ、と機械音がなり其方に顔を向けると00:29とご丁寧にデジタル時計が動き始めた。30秒って、長。
『後30秒ですって桂さん』
「……あぁ。」
小さな声が返ってきて様子のおかしい桂さんの方に顔を向けようとすれば頭に添えられていた右手に力が入り、振り向くことが出来なかった。
「すまないが、今は動かないでくれ」
『え、あ、はぁ……』
何故??とも思ったが、肌を伝って感じる桂さんの心臓の音に納得がいった。ものすごく早い。ちらりと時計を確認すると後、10秒になっていた。9、8、7、と数が減る速さより桂さんの心臓が動く音の方が早くてなんだか可笑しい。
くすくすと笑う私に桂さんは少し不機嫌そうになんだ、と聞いてきたのでなんでもないです。とまた笑った。
ピ──ッ、と終わりの音がなり扉が出現した。終わりの音が聞こえるや否や桂さんは私から手を離し直ぐに離れてしまった。こちらに背を向けているので顔はまだ見えない。
『桂さんって結構初心なんですね』
「初心じゃない桂だ!!」
『いや、そうじゃなくて、って…、あぁ、行っちゃった』
扉から出るとすぐさま走って行ってしまった。
そういう経験が無いわけでもなさそうなのに。とも思ったがそれを言うとまた「破廉恥であるぞ!!A殿!!」と怒られそうなので黙っておいた。
「……A殿、君は身体が細すぎる。」
・
桂さんって女性にされたことに全部反応して照れそう🤤
303人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
トろさん(プロフ) - 來夢さん» コメントありがとうございます!!すごく嬉しいです!彼シャツ書かせていただきます!! (2022年7月24日 6時) (レス) id: 52ab68bbcb (このIDを非表示/違反報告)
來夢(プロフ) - 初めまして!とてもドキドキして最後まで楽しめました!リクエストで神威と「彼シャツしなければ出られない部屋」をお願い出来ますか? (2022年7月23日 23時) (レス) id: 57cf74ccf0 (このIDを非表示/違反報告)
トろさん(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます!!嬉しいです!ぜひ書かせていただきます! (2022年7月23日 19時) (レス) id: 52ab68bbcb (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - コメント失礼致します汗作品読ませて頂きました。凄くキュンキュンして、気づいたら最後まで読んでいました。(*´-`)リクエストなのですが、土方さんお願いします!! (2022年7月23日 19時) (レス) id: 551728da14 (このIDを非表示/違反報告)
トろさん(プロフ) - さきいかさん» そんなふうに思って貰えて感激です!!リクエストありがとうございます!!! (2022年7月23日 6時) (レス) id: 52ab68bbcb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:トろさん | 作成日時:2022年7月3日 14時