検索窓
今日:1 hit、昨日:7 hit、合計:15,464 hit

第三話 組分け ページ20

純血だからって何よ! 偉そうにしないでって言いたかったわ!」
 エミリーは鼻息を荒くして、腕組みをする。そうとう怒っているみたいだ。
「じゃあ、私たちは全員セルウィンに良い思いはしてないのね」
「そうよ! ちょっと家柄が良いからって、あの子、私のお母さんを馬鹿にしたのよ! 大広間じゃ無かったら、呪いをかけてたわ」
 杖をしごきながら、エミリーは冷笑を浮かべた。その冷たさに、私は背筋がゾクッとする。エミリーも美少女だから、冷笑は凄みがあって怖いのだ。
 美人って、何しても様になるわよね。エミリーなんて、今は女王様みたいだ。
「Aは東洋人よね? 英語がとても上手いわ。私なんかより、よっぽど発音良いし」
「それは私も思った。それに黒髪黒目って、神秘的で素敵だと思う」
「確かに〜」
 美少女二人に褒められて、私は照れ臭くて荷物の整理をし始める。これ以上は耐えられない。
 二人も整理を始めて、時々話しながら作業をしていく。その途中、私はあることが気になった。
「この部屋は私たちだけ?」
 先に荷物の整理を終えたエミリーが、ベッドに腰かけて、
「そうよ。他は純血名家で固められているわ。セルウィンなんて一人部屋ですって」
「え!? 一人部屋!?」
 驚いていると、セシルが眉間に皺を寄せながら、
「スリザリンでは当たり前よ。名家は待遇が良いの」
「そうなんだ……」
 魔法界の階級を考えてみた。純血が頂点で、その下が半純血、マグル生まれなんて最下位だ。セルウィンにバレたら、馬鹿にされるレベルではないだろう。
「Aは、半純血?」
 エミリーが杖を仕舞いながら、聞いてきた。
「ううん。マグル生まれよ。セルウィンにバレたら大変ね」
「大丈夫。その時は私が守るわ!」
 エミリーが私の手を取り、そう言った。セシルは「じゃあ、対策を考えときましょう。使いたい呪文ある?」と、羊皮紙を広げている。
「あああ、今は良いから! ね? それより、それぞれの実家の話でもしない?」
 慌てて止めると、二人は「それもそうね」と肩をすくめ、ベッドに座った。
 それからは、実家の話で大いに盛り上がった。
 セシルもエミリーも、日本について興味津々で、日本独特の文化に驚いていた。いつか、日本のお菓子とか食べて欲しい。
 あっという間に消灯時間になり、私たちはおやすみと言い合って、ベッドに潜り込んだ。
 私のベッドには、ステラが入ってきた。
 ステラは、私の顔の横で丸くなる。その背中を撫でながら、

第三話 組分け→←第三話 組分け



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (6 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
16人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:オムとセナときどきパール | 作成日時:2020年2月24日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。