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「……良く気づいたな。今のは普通の人には分からないほどの速さだと思うのだが……」
イッペイさんがそう言うとサトシ達が私の周りを囲む。
「すげぇなA!」
「やっぱりA程の人になるとそう言うのもわかっちゃうのかなぁ!」
サトシ達に煽てられていると頭領さんが「Aちゃんは腕の立つトレーナーなのだなぁ!」と愉快に笑った。
―――――
場所変わりサンペイの部屋。
思ったより普通の部屋で辺りを見渡すと、一つの写真が目に入る。
『サンペイ、これは?』
写真に写っているのは、サンペイを含んだ三兄弟と、その相棒のポケモン。
サンペイの横にはケロマツが居た。
「あぁ、それは旅に出る前に撮った記念の一枚でござる。拙者はこの村一番のポケモン使いを目指していたでござる。でも、ニヘイ兄に届かなかった。勿論、イッペイ兄に及ばぬのもわかるでござるよ」
「サンペイはこの先どうするんですか?」
悲しそうな笑みを浮かべたサンペイにシトロンが話しかける。
「此処でまた修行に励むでござる!兄者たちの手伝いをしながら!」
「手伝いってどういうこと?」とセレナが言えば今度は満面の笑みでサンペイは答える。
「実はこの度、イッペイ兄が頭領になるでござる!明日の村祭りを最後にハンゾウ殿は引退するでござる!これからは拙者たち三兄弟が中心となって村を守っていくでござるよ!」
その言葉を聞いて応援の言葉をサンペイに掛けようとした時、足元にデデンネとプニちゃんが居た事に気づく。
サンペイからデデンネ達に話しかけようとした刹那。
『え』
「でねっ!?」
突然感じる浮遊感。
変わる視界。
真上から何かが閉まる音。
滑り台の様にデデンネ達を抱えて私は重力に従っている。
そして気づく。
『おっ……落ちてるぅううぅ!?』
小さな縦穴にお尻を擦りながら滑る。
デデンネは私に抱えられているからなのかとても楽しんでいる(プニちゃんは絶叫してるが)
そして出口の様な光が見えてきた瞬間、私は命の危機を感じた。
もし外が海とか崖だったらどうしよう。
あぁごめんダイゴ、ホウエン帰れないかも。
死ぬ覚悟をして私は目をぎゅっと瞑り、デデンネ達を抱えたまま穴の外へ放り出された。
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凪(プロフ) - 赤と青...ゆ、夢主ちゃんチートや!でもそこがいい! (2017年4月1日 16時) (レス) id: ff008d2146 (このIDを非表示/違反報告)
とろろ丸(プロフ) - シホさん» 返信遅れて申し訳ありません…最初から見てくださってありがとうございます!今忙しい時期に晒されていますが、更新頑張っていきたいと思います!XYが終わっても書いていきますのでこれからもどうぞよろしくお願いします! (2016年12月10日 1時) (レス) id: dea324e419 (このIDを非表示/違反報告)
シホ - パート1から見てます!XY&Z終わっちゃいましたね...更新頑張って下さいね! (2016年11月17日 18時) (レス) id: b0fbc0d7a4 (このIDを非表示/違反報告)
とろろ丸(プロフ) - 翔夜さん» 最初から読んでくださってありがとうございます…!!面白いと言ってくださって嬉しいです!!更新が遅くなる時もあるかと思われますが、これからも読んで下さると幸いです!コメント有難うございました!! (2016年11月6日 0時) (レス) id: dea324e419 (このIDを非表示/違反報告)
翔夜(プロフ) - パート1からずっと読んでます!!もの凄く面白くて更新を楽しみにしてますこれからも頑張ってくださいフレー!!(っ`・ω・´)っフレー!! (2016年11月5日 14時) (レス) id: b0942deef4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とろろ丸 | 作成日時:2016年11月3日 3時