検索窓
今日:1 hit、昨日:7 hit、合計:25,876 hit

ページ8





大吾「ふぅ……」


部屋を出て廊下の突き当たりにあるトイレ。


小窓から入る月明かりが

蛇口から溢れる流水を照らしている。



排水溝に渦巻く水たちは

俺を笑うだろうか。


ハンカチで拭いたその手を胸に当ててみると

未だ動悸は収まっていなかった。


初めて過ぎる感覚への対応を

俺の中のどの部位も知らなかった。



まだ熱中症、治ってへん?



なんやねんこれ。


俺意味分からん。。



夏の暑苦しい夜。

俺の顔も首筋も熱を持っていた……







大吾「つめたっ!!」


永瀬「っはは!笑 びっくりした?」



後ろに立っていたのは、

水のボトルを俺の首筋に当てた廉。


驚く俺を見て、にやにやと笑う。



大吾「なにしてん笑」


永瀬「大吾こそ。ずっと一点見つめて。」


大吾「今戻ろうとしてたとこ。」



動揺を隠すように

急いでハンカチをポケットに戻し、


廊下へ向かおうとした。



永瀬「大吾さぁ、」


大吾「ん?」


永瀬「童貞?」


大吾「は?」



咄嗟に振り返ると、

やっぱり変わらない揶揄するような笑顔。



永瀬「反応ピュアで可愛いかったで。笑」


大吾「うっさい、見やんといて。」



急になんやねん。恥ずい。


俺が顔を隠そうとしたら

ふるふると首を横に振った。



永瀬「今ちゃう。」


大吾「なら、」


永瀬「正門先生?」


大吾「………、」


永瀬「一目惚れやろ?」



全て図星で、もうぐうの音も出なかった。



永瀬「卒業出来るように頑張らなな。笑」



廉が俺の肩を叩いてトイレを出る。



大吾「うっさい!俺やって一度や二度…っ…」


永瀬「はいはい。」



俺と廉の声は廊下に響き渡り、

そして俺に返ってきた。








この時同室だった俺たち4人は

これから親交を深め、


後に同期会を発足する事になるが、



その傍ら

俺はこの恋を向こう2年、引き摺ることになる。







(END)

僕らの決意と貴方の意志を→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (47 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
288人がお気に入り
設定タグ:オメガバース
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

のあ - 頑張ってください〜!!更新待ってます!! (2023年1月21日 11時) (レス) id: c5462c43aa (このIDを非表示/違反報告)
まつだいら(プロフ) - のあさん» 遅くなりました!💦 今後もだいぶ更新する間隔が開くと思います……すみません!その分勉強頑張ります! (2023年1月20日 23時) (レス) @page42 id: 086f901055 (このIDを非表示/違反報告)
のあ - 更新待ってます〜!! (2023年1月14日 13時) (レス) id: c5462c43aa (このIDを非表示/違反報告)
まつだいら(プロフ) - のあさん» 本日、更新予定です!返信遅くなりすみません💦本年もありがとうございました! (2022年12月31日 20時) (レス) id: 086f901055 (このIDを非表示/違反報告)
のあ - 次更新するのっていつですか?教えてほしいです✨ (2022年12月31日 8時) (レス) id: d683609e2b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まつだいら | 作成日時:2022年10月3日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。