貴方の綴れに生命の音を 番外編

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和也side



和也「うわぁ！すご！！」


扉を開けた奥には

綺麗な夜景が広がっていた。


丈くんが取ってくれていた部屋は

ホテルの上層階。


大開口の窓まで走ると、

さっきまで俺たちが居た光の束が

静かに襲ってくる。



……そう、静かに。



和也「丈くん、めっちゃ綺麗」


丈「せやなぁ。」



この空間に

俺と丈くん以外の音は無かった。



和也「さっきまであそこ居ったんで」


丈「おん。」



コートを脱いだ丈くんも俺の横に立って、

2人並んで光を見下ろす。



和也「誰も見えへんな。」


丈「結構高いからなぁ、ここ。」



いや、ほんまにちょっと怖い。

そう言って丈くんは笑った。



和也「もしかしたら、

今世界に俺たちしか居らんのちゃう？」



俺の言葉は夢物語と言うより、

少しの希望だったのかもしれない。


今この一瞬だけでも、

世界を俺たちだけのものにしたかった。


それ以上の愛情表現が無かった。



丈「今は俺たちしか居らんよ。」


和也「ほんま？」



目前の夜景より綺麗な瞳が

俺を見ていた。



丈「おん、全部和也にやる。」



伸びてきた指が俺の顎を沿う。

目を閉じると、柔らかな感触が唇を乗っ取った。



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