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和也「次あれ!」
丈くんの顔を振り返りながら
でっかいコースターを指差す。
パーク内は俺たちと同じように
カチューシャを着けて
写真を撮る友達、
手を繋ぐ恋人たち、
ベビーカーを押す夫婦。
上からは楽しそうな悲鳴が木霊している。
丈「ちょ、転けるぞ!」
丈くんは走る俺を追いかけて腕を掴んだ。
和也「大丈夫〜!」
丈「大丈夫ちゃう。」
和也「なんで〜」
それを引き寄せられて、
俺の体は丈くんに密着した。
丈「……あんま、人混み得意やないやろ。」
俺の横を人が過ぎていく。
風を切る感覚に、少しぞわりとした。
和也「……知ってるんや。笑」
Ωは人混みが苦手な人が多いらしい。
無意識に避けてるんかもしらん。
程度は様々であれ、トラウマがあるんやと思う。
俺にもある。
中学の時、急にヒートが来て。
αの子らに……。
人に囲まれると、思い出すから。
怖い思いした過去。
でも同時に、
俺を助けてくれた大好きな丈くんも思い出すんや。
そしてその丈くんが隣にいることが
何よりも安心する。
丈「ん、大丈夫。」
俺の腕を持っていた丈くんの手が掌までを滑って、
ぎゅっと恋人繋ぎにされた。
丈「あと、お前すぐ迷子なりそうやから。笑」
和也「ならへんし!笑」
この温かさ。
俺はいつもこれに守られている。
和也「てか、迷子なっても
丈くんが見つけてくれるやろ?」
丈「いや今日俺、非番やから、無理。」
和也「なんでやねん。探してや。笑」
ケラケラ笑いながら同じ高さの顔を見ると
ふい、と逸らされた。
丈「誰が見失うか、アホ。」
……丈くんのこういうとこ、
かっこええなぁって思う。
和也「うん、好き。笑」
丈「なんも言ってへん。」
お互いの指が絡み合う。
少し丈くんの手に力が入り、
更に強く絆された気がした。
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のあ - 頑張ってください〜!!更新待ってます!! (2023年1月21日 11時) (レス) id: c5462c43aa (このIDを非表示/違反報告)
まつだいら(プロフ) - のあさん» 遅くなりました!💦 今後もだいぶ更新する間隔が開くと思います……すみません!その分勉強頑張ります! (2023年1月20日 23時) (レス) @page42 id: 086f901055 (このIDを非表示/違反報告)
のあ - 更新待ってます〜!! (2023年1月14日 13時) (レス) id: c5462c43aa (このIDを非表示/違反報告)
まつだいら(プロフ) - のあさん» 本日、更新予定です!返信遅くなりすみません💦本年もありがとうございました! (2022年12月31日 20時) (レス) id: 086f901055 (このIDを非表示/違反報告)
のあ - 次更新するのっていつですか?教えてほしいです✨ (2022年12月31日 8時) (レス) id: d683609e2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まつだいら | 作成日時:2022年10月3日 20時