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敦side
「け、賢治くん!」
「よいしょ〜!!」
バッコオォォォン!!
現在 僕の目の前を飛びかっているのは人 人 人
それとたまに車が空を舞っている
今日のお仕事は賢治くんとの調査。いつもの事ながらあっさり情報は掴めたけど
犯人達、もう白目向いちゃってるよ…
「賢治くん、そのくらいに…」
「あれ、敦くーん」
「え、あっ!」
反対側の歩道には僕に手を振るAさん。振り向いて 賢治くんから目を離す
「よっこいせ〜!!」
ブンッ!!
「「……え?」」
いつの間にか僕の上を通過して飛んでいく車
その先には、驚いて車を見上げるAさん
「ッ危ない!!!」
「………ッ!!」
手足を虎化し、車がAさんに降ってくるギリギリの所で抱き上げて飛ぶ
ガッシャァァァァン!!!
「はぁ、はぁ!」
背後では賢治くんが飛ばした車が建物に突っ込んで、衝撃音と破片が飛び交う
「あ、敦く……」
腕の中のAさんは虎の腕を見て驚いた顔をしていた
「わっ!す、すみません!」
ぎゅっと抱きしめていた腕を慌てて離す。でもAさんは僕に再び抱きついてきた
「え!? あ、Aさん!?」
「すごい敦君!もっとよく見せて!」
「え、えぇ!?」
僕の腕をキラキラした目でじっと見つめるAさんさっきまでの表情とは程遠い
「すごい…ふかふか!」
優しい手つきで僕の虎の腕を触る。興味津々のその笑顔は、子供がおもちゃを買ってもらった時のように無垢だった
「敦君!」
「な、なんでしょう」
ズイッと顔を近づけられると
綺麗なその瞳に鼓動が鳴った
「絵のモデルになって!」
「え……えぇーー!?!?」
______________
「む、無理ですよ!僕にモデルなんて!」
あの後、お腹いっぱいご飯を食べた賢治君は国木田さんが迎えに来て探偵社へ帰ってしまった
僕はAさんに手を引かれながら何処かに連れていかれている
「大丈夫だよ 心配しなくても」
「で、でも僕には…」
「モデル料出るよ?」
「え…そ、それは如何程のものでしょうか」
思わずそう聞くと、Aさんは足を止めずに考える
「うーん、」と振り返るとにっこり笑った
「引き受けてくれたら、敦君のお望みの額をご提示するよ」
お望みの額!?
「や、やります!!」
勢い良く答えると嬉しそうに笑って また手を引かれた
その姿は 太宰さんたちから聞いていたAさんより
少しだけ、幼い少女のようにも見えた
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柚子の香(プロフ) - キリカさん» いえいえ!頑張ってくださいね! (2018年8月27日 17時) (レス) id: 174fdb4db8 (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - 柚子の香さん» ありがとうございます。ほんとだ"敦"ですね。すみませんありがとうございます! (2018年8月27日 6時) (レス) id: 0facb3a838 (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - 唯我独尊丸さん» わぁ ありがとうございます。うれしいです! (2018年8月27日 6時) (レス) id: 0facb3a838 (このIDを非表示/違反報告)
柚子の香(プロフ) - 凄く面白い!ただ、ひとつだけいいですか?漢字が『淳』では無く『敦』だと思います。なんかすみません。この作品大好きです!更新楽しみにしてますね! (2018年8月27日 0時) (レス) id: 174fdb4db8 (このIDを非表示/違反報告)
唯我独尊丸(プロフ) - 凄く面白かったです!イッキ読みしちゃいました笑更新頑張って下さい!楽しみにしてます! (2018年8月26日 23時) (レス) id: 2689cacca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キリカ | 作成日時:2018年8月22日 19時