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力任せに、私の腕を引っ張り続ける彼
驚きと 今の現状でいつのまにか涙は止まっていた
「手、いたい」
「あ…わりぃ」
ぱっと離して立ち止まると気まずそうな顔でどんな気持ちなのかが読み取れない
「急に泣いてごめん」
「いや、お前悪くないだろ」
「ううん」
あの女の子から貰った手紙持つ姿に苦しくなって、見ていたくなくて、目を逸らしたかった
彼が他の誰かに想われている
知らない誰かと恋仲になるかもしれない事実
数えだしたらキリがない
そんな未来は、見えても見たくないんだ
鋭い目 さらさらな黒髪
たまにムッとする口 バレーをやる真剣な姿
苦手な勉強を頑張る姿も
夢中でカレーを食べているところも
たまに優しい目をするそんな瞬間も
数えだしたらキリがないけど
どんな姿もでも 愛おしく思うのは
目の前にいる、彼だけなんだ
「ねぇ、影山」
「?」
「好き」
何度も伝えた言葉
あなたが見ている世界が気になると同時に
あなたから見えてる私に少し怯える
今、あなたが難しい顔をしてるのを見て
心が張り裂けそうになってるって、
あなたは知らないでしょ?
なんて、長々と考えていると
彼は私に近づいて見下ろした
黒い瞳が、じっと私を見つめている
「お前が俺に言う好きと、この手紙の好きは同じなら菅原さんに言われた事がある」
「?」
「お前のこと、どう思ってるのか判断しろって」
……………
「お前の言う好きが、どんなものなのか正直わかんなかった」
「…」
クラスの奴とか女子が、よくそんな事を言って盛り上がっているのは知ってる
俺はそんな会話した事もほとんどねェ
部活でもバレーが大半を占めてるし
「でも、菅原さんのお陰でお前が大事だってわかった」
「…ｯ!!」
すっとんきょう
目をぱちくりさせて
驚きの顔を見せた朝日奈は 少し震えてる
ぜってぇ違う
今まで誰にも感じた事のないもんが、お前にだけある
「だから、えと…。お前が俺に言ってきた好きが、多分俺にも同じものがある」
「か、げやまっ」
今にも泣きそうで、後ろに下がる体を引き止めた
逃がさねェ、こいつを抱き締めたいと思ってる俺がいる
泣いて欲しくねェと思う
そばいてほしいと思う
勝ちに必要な奴でも
とんでもねェスパイカーでもない
ましてや、バレーを知らねェお前を
俺は必要としてる
「俺、お前が好きだ」
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かげぇ - 本当にこんなストーリーが思いつくなんて天才ですね。本当に感動しました。ありがとうございます。 (2022年10月21日 2時) (
レス) id: 3036219cf9 (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - 祈吏さん» 差し支えなければ村上春樹さんのどの作品の女の子に似ているのか教えて頂ければ幸いです。とても気になります! (2022年6月5日 22時) (レス) id: 81cf740146 (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - かるぴんさん» ありがとうございます! 月島くんのことも好きになってくれるなんて感無量ですね (2022年6月5日 22時) (レス) id: 81cf740146 (このIDを非表示/違反報告)
祈吏(プロフ) - 主人公の女の子が村上春樹の小説に出てくる女の子みたいですごく好きでした (2022年6月4日 15時) (レス) @page50 id: ed79f9af0b (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - すごく素敵でした。影山くんももちろんですが、月島くんももっと好きになりました！ (2021年6月19日 2時) (レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キリカ
| 作成日時：2019年8月11日 19時
