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「…」
静かな図書室で本を探す
結局、何だったんだろう。あの後「ようやく分かった」と満足顔で帰って行った
クラスの子に「影山くんと知り合いだったんだね〜」「どんな話するの?」と聞かれたけど 何にも話してないから返答に困った
「あれ〜 君一年生?」
「? はい」
声のした方を見ると ピアスをした ガタイの良い男子が私を覗き込むように背後に立っていた。ﾄﾞｷﾘとして引き下がると本棚に背が当たる
どんどん追い詰められる中 「へぇ〜」と楽しそうに笑う男子。多分上級生なのだろう
「可愛いね〜 初めて見たよ」
「初対面ですから」
「あっはは、そうだよね〜」
距離が随分近く 抜け出そうとした瞬間ﾄﾞﾝｯと腕が前に出てきて 通せんぼされた
「まってまって。ねぇ、俺の事知らない? けっこう顔が効くんだけど」
「…?」
誰。
まじまじ見ても知らない人。キチンと止められていないシャツのボタンから覗くネックレス
なんとなく甘い匂いが香る。「近いです」と言っても笑ってはぐらかされた
「ねぇ、アドレス教えて?」
「嫌です」
「えー なんで」
「いーじゃん、ねっ?」と耳元で囁くと同時に腰を引き寄せられた。その時、
「あれ、朝日奈ちゃん?」
「! 菅原さん」
「げっ…」
「あっ タイミングまずかった?」とやっちゃったと言わんばかりの顔の菅原さんに目の前の男子はため息をついてそそくさと出て行った
……………
菅原side
「いや〜 なんかすごい時に来ちゃったな〜」
「いえ」
「ありがとうございます」とﾍﾟｺﾘとお辞儀をして笑う朝日奈ちゃん。うん、可愛い
「本当は二人の姿見えてさ 咄嗟に声かけたんだ…さっきみたいなのよくあるの?」
「たまにです」
「そっか…まぁ朝日奈ちゃんモテるだろうしね〜」
「?」
俺がそう言うとキョトンとした。その仕草さえ綺麗で 一瞬心臓がきゅってなった。え、なにキュン死させる気?
「私は、好きな人に好きって言われたいです」
「…ｯ!!」
うはぁ…言っちゃったよ
この子にそれ言われたら男子はみんな玉砕だよ、田中とか西谷ならきっと石化する
まぁでも、こんなけ純粋な子に好かれるなんて影山も幸せ者だな
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かげぇ - 本当にこんなストーリーが思いつくなんて天才ですね。本当に感動しました。ありがとうございます。 (2022年10月21日 2時) (
レス) id: 3036219cf9 (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - 祈吏さん» 差し支えなければ村上春樹さんのどの作品の女の子に似ているのか教えて頂ければ幸いです。とても気になります! (2022年6月5日 22時) (レス) id: 81cf740146 (このIDを非表示/違反報告)
キリカ(プロフ) - かるぴんさん» ありがとうございます! 月島くんのことも好きになってくれるなんて感無量ですね (2022年6月5日 22時) (レス) id: 81cf740146 (このIDを非表示/違反報告)
祈吏(プロフ) - 主人公の女の子が村上春樹の小説に出てくる女の子みたいですごく好きでした (2022年6月4日 15時) (レス) @page50 id: ed79f9af0b (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - すごく素敵でした。影山くんももちろんですが、月島くんももっと好きになりました！ (2021年6月19日 2時) (レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キリカ
| 作成日時：2019年8月11日 19時
