グレース荘 ページ6
フェリーラは魔法でさっと荷造りをすませた。Aはその様子を、目を丸くしてじっと見つめていた。
「さて…
行こうか？」
『はい、おばあさま』
「さて、私の腕につかまっておくれ。手を離したら、あまり面白くないことになるよ」
Aはフェリーラの真剣な口調にびくっとして、フェリーラの腕をしっかりと掴んだ。
バシッという音がした時には、もう2人の姿はここにはなかった。
ーーーーーー
「ここが、グレース荘だ、A」
美しい装飾が施された大きな屋敷の前で、ゆっくりと言うフェリーラ。
しかし、Aはグレース荘の大きさに圧倒され、何も喋ることが出来なかった。
しばらくしてAは、やっと口を開く。
『お…大きな…お家ね…』
震える声で言ったAに、フェリーラは大声で笑った。
「あっはっはっ、驚いたかい？
まあ、日本の家よりは大きいかもね。
さて、入ろうか」
そう言ったフェリーラは、Aの手を引いて、懐かしいグレース荘の門をくぐった。
と。
『っっ…！』
急に、Aの左手に痛みがはしった。
生まれつきのあざが、じんじんと痛む。
Aは、思わず左手をばっと右手で押さえた。
『なに…？』
「どうしたんだい？」
『ううん、たいしたことないわ、おばあさま』
Aはそう言ってにこりと笑うが、その笑顔はどこか硬い。
フェリーラははっと異変に気づき、Aの左手を掴んだ。
「まさか…」
Aの左手の手の甲が輝いていた。
その輝きは徐々に、花の形となっていく。
『え、なにこれ…？』
Aは、屋敷の扉の前で立ち尽くした。
フェリーラは、難しい顔をして呟く。
「これは、アナスタシア・スリザリンの紋章だよ…」
『アナスタシア・スリザリン？』
Aは、フェリーラの言葉を繰り返した。
「私らの、ご先祖様だよ。
ほら、この花、アナスタシアだろ？」
『アナスタシア…菊だわ』
Aは、昔図鑑で見たアナスタシアの花を思い出す。
フェリーラは、だんだん紋章の輝きが薄れていくのを見て、安心したように言った。
「気にしないでいいよ。あざがちょっと違う形になっただけのことだろ？」
そう言って微笑むフェリーラに安心して、Aはゆっくりと足を踏み出し、屋敷の扉を開いた。
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トリシア(プロフ) - ＡＲＵＰＡＫＡさん» ありがとうございます！！そう言って頂けて嬉しいです。出来るだけ早く更新するよう頑張りますね！！ (2019年12月7日 6時) (
レス) id: 0e6a90cd55 (このIDを非表示/違反報告)
ＡＲＵＰＡＫＡ - 好きです！次の更新待ってます！ (2019年12月6日 21時) (レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
トリシア(プロフ) - 梨沙さん» ありがとうございます！更新頑張ります(｀・∀・´) (2019年11月30日 11時) (レス) id: 0e6a90cd55 (このIDを非表示/違反報告)
梨沙(プロフ) - このストーリー私好みです！更新楽しみにしてます！ (2019年11月30日 7時) (レス) id: c5b5bf1a65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花園歌恋（元トリシア） | 作成日時：2019年11月14日 18時
