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目を開けば、当たり前だが入り込む光に目を細め、目を慣らしながらゆっくりと開く。
ふかふかのベットに片手をつきながら起き上がり、ふと視線を感じて左を見た。
「あ、おはよう」
『……』
其処にいたのは、人。だが、普通の人ではない。かなり見覚えのある男。
ゆっくりとベットに再び沈み、布団を頭まで被って、これは夢だと自分を納得させようと目を瞑る。
「…ふーん、誘ってるん?」
ギシッとベットが軋む音とともに、人が私に覆い被さった。
布団を被っているため、見えないが、これが所謂“床ドン”というやつなのだろう。
『どけ、チーノ!』
ci「グフッ……いつやられてもええ蹴り、やな…」
『キモい』
夢じゃないと分かり、舌打ちをしながら足を思い切り上げれば、その重みがどいたので、起き上がってベットから出た。
チーノ。“彼奴等”の中でも最年少の男。
白シャツにサスペンダーで、首にかけている金色の懐中時計は私がプレゼントしたものだ。
ふわふわの水色の髪の毛がわずかにかかる瓶底眼鏡の奥では、薄ら橙色の瞳が輝いていた。
『なんで此処にいる』
チーノを始めとする“彼奴等”は、全員恐ろしいほどの美形。神様のことだから問答無用て攻略対象にしているだろう。
そんな彼が、何故モブキャラの家に。
ci「確かに、俺は攻略対象や」
心を読んだのかのようにそう言うチーノ。こういうことは今までも何度かあったから驚くようなことではない。
ci「でもな?一番長くAとおったのは俺やで?Aが考えそうなことも分かる。
俺等が攻略対象になるのはわかっとったやろうからモブになるやろ?更に、俺等から逃げる為に前とは正反対の容姿に変える。
せやから中小貴族で、黒目黒髪の家系を探してん。
幸いこの世界ではそんな多ないようやで?
そん中からAって名前の女が生まれた家を探せばここだけ。
この家に入ったのは、まぁ話術を駆使して、やな」
魔法は使っとらんで?とにこにこしながら言うチーノ。
正に図星で、はぁ、と溜め息を吐いた。
『詐欺師め…』
ci「詐欺師なんて!口が達者とでも言うてほしいわ」
『マジ怖…。ちなみに、お前は他の奴らとはもう合流してんのか?』
そう尋ねれば、まさか、と肩をすくめる。
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天天(プロフ) - 好きです… (2022年4月19日 18時) (レス) id: bc837922a0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずは - コメント失礼します!え、めっちゃ好きです、、、sypさんのところが、好みです、! (2022年3月1日 18時) (レス) @page18 id: 083d316892 (このIDを非表示/違反報告)
rrrremi827(プロフ) - うわん!めためたスキです (2021年3月17日 22時) (レス) id: 36b521ff59 (このIDを非表示/違反報告)
Rin - ンンンンンンンちゅき...(()ほんま最高ですわ... (2021年3月10日 8時) (レス) id: ee43a6ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - こういう系の話ッ!大好物です!!!更新頑張ってください! (2021年3月8日 23時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むっちゃい | 作成日時:2021年2月21日 10時