気がついたら、食の世界 【トリコ】

Ｓ　第四十話 ページ41

『いやいやいやいやいや！』
「おいお前どこ行くんだよ！」


みなさん、聞いてください！
現在私はボギーさんに追いかけられています。

なぜなら…


『そのクリーム！変なにおいするんですよ！』
「そりゃあわかるけど、早く塗れ！！」


反抗的な態度をとってしまい追いかけられている。
さきほど言った通りに変なにおいがするからだ。

それなら甘いにおいの方がマシだと思う。
このクリームのにおいの方が残すと思うんだけども！！


『それ塗ったら本当ににおい消えるんですか？』
「あー？知らねえけど、消えるんじゃねえの？」
『え、自分知らないのですか！？』
「トミー様に渡されたし」


と、走っていたがスピードなんて敵わない。
後ろから、手が伸びてきて大きな手が私の頭を掴む。


『ぎゃっ！』
「お前が逃げれるわけねえっての。早く塗れ」


…しょうがないな。
なんて別に偉くはないのに上からの態度みたいにのってみる。

あの、変なにおいをしたクリームの蓋が開けられて、
行く気が伏せる、これは本当に伏せるんですよ。


『んーんー…』
「早くしろ」
『だからにおいが！』
「うるせーよ」


今、ボギーさんの目が恐かった。
おっそろしい目だよ、この人そんな目をするんだ……、あ、美食會だもんね。

私の鼻には合わないにおいが身体を適当に塗って、…あれ、においがしなくなった。
さっきのにおいが消えたかのように、自分の肌に鼻を近づけてみると
別に何もにおいなんてなくて、ただ服の香りがしただけ。


『におい、しなくなりましたよ……』
「あーそうかいそうかい、じゃあ行くぞ」
『うえわお！？』


変な声が出た、女の子らしくない。
ってそんなことを考えてるうちに、猛獣の背中に乗って


いざ…


『あの』
「なんだよ？」
『生身って聞いてたんだけど、何するの？』
「ペット探し」


は？どういう意味か。
ボギーさんのペットですか、ヤドカリはどうなった…。
なんて言ったら殴られそうだから言わないけど、


『誰のですか』
「お前のだよ」


ほら、やっｐ…

……え？

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