気がついたら、食の世界 【トリコ】

Ｓ　第十三話 ページ14

この世界に来て数日経っている。

好きなキャラだというのに、恐怖心が次第に大きくなってきて
今更だがなんであんな悪趣味なんだろうって思ってきた。

御飯を食べるときなんてあの猛獣のいる部屋で食べさせられる。
セドルさんは仕事で忙しいため食事を運んでくるときにしか会わなくて

私の、目を見たいんだろうけど
さすがに猛獣と会話するだけで目の色が変わるからって

猛獣といる部屋で食事っていうの、味がちゃんと味わえない。

じーっと見られるのが慣れてきて、
猛獣との会話も少しずつできるようになってきた。


『それにしても、暇すぎる』


そう、何もすることもなく、暇。
学校とか嫌とか言ってるけど良い暇つぶしだったのかもしれない。
友達にさえ会えないし、外に出てみたいけど窓からたまに見る

恐ろしい猛獣たちがいるわけで、

ストレス発散でもしたいわけだ。

そうだなあ、この部屋にも髪とペンぐらいあるんじゃないかなって
勝手に部屋のクローゼットとか開けて、探してみる。




――――― 何時間か経った。


探し物をしていれば面白いものもでるし、ゾっとするものが出てきた。
その中でも、目玉が出てきたのは恐ろしい。

服とかあったけどサイズなんて大きすぎて着れない。

そして紙とペンは結構あって、
勝手に使っていいのか分からないけどしょうがない。


暇つぶしだ。


『絵だけでもなあ、…あ、そうだ、絵日記！』


紙一枚というわけではなくて、普通のノートみたいなものがあったから
そのノートを開けて日付を書いた。

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