闇を照らす光 ページ34
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「私の贄になれ」
男が放った言葉とほぼ同時に、父が獣のように断末魔をあげた。悶える父を、男は無造に地面へ叩き落とし、踵を返す
『お父さん･･･！！』
父に駆け寄ると、苦しみながら「来ル･･･な」と叫んだ。その様子に、男は歩みを止め、振り返る
「ほぅ･･･この状態で自我を保つか」
ーーこいつは鬼だ。そう感じた
私は、落ちた刀を握った。ずっしりと重いその刀を男へ向けた
「A･･･私は･･･鬼にナ･･･ル」
父の顔は、血管という血管が浮き出し、白目が大きく見開かれる。父の声と獣の声が混じったように、血を吐きながら訴えた
『嫌っ！鬼になんてならないで･･･！』
「私を殺すんだ･･･早く･･･その刀で私を殺セェェ！」
『･･･っ』
物知りだった父･･･優しかった父･･･。
走馬灯のように幼い時の記憶が巡った。先祖から受け継がれてきた刀、鬼を狩ってきた刀、父が誇らしげに話していた事ーー･･･
刀なんて握った事なんてない、鬼の殺し方も知らない筈なのに、まるで体が覚えているかの様に･･･目の前の変貌していく父の首を斬り落とした。
＿＿＿最後に父は穏やかに笑った。その顔は人間だった
「愚かな人間だ」
屍のような冷たい眼差しで、冷酷な口調で男は言った
『なぜ･･･なぜ父を殺した！！』
「殺したのは貴様だ」
『ーー！！違う･･･違う！！』
「私はその男に永遠の命を与えた
⠀それを貴様が殺したのだ。」
張り詰めたものがプツンと切れた。
「貴様は鬼に似つかわしい、人鬼。」
男は蔑むように、嘲笑うように言い放ち消えた。それと同時に東から日が昇った。
刹那に記憶が匂いや音ごと蘇る。
私は鬼に似つかわしくない。鬼を滅殺する事に似つかわしいと証明したい＿＿＿なのに･･･
それを証明していく度に、鬼に大切な人を奪われた人々の涙を見る、絶望の叫びを聞く、その度に私の中には怒りと憎悪が蓄積され続け膨らんでいく
体の一番深い所で、凄まじい殺意の衝動にかられ、人鬼に近づく自分にどうしようもない嫌悪感と不安に襲われる･･･
『証明する事は難しい、だけど君も頑張っている。
⠀炭治郎君は私の希望の光みたいなものなの』
「俺が･･･希望の光」
私達は、やけに黄色い月を見上げた
『あ、カステラが待ってるんだった
⠀それじゃあ、頑張ってね。炭治郎君』
「･･･はい！」
私は炭治郎君の強い意志を感じ、その場から離れた
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有馬(プロフ) - 常田。さん» コメントありがとうございます！同じ作者の方に、そう言って頂けるとは･･･！とても光栄です！更新頑張りますので、宜しくお願いします！ (2019年10月14日 16時) (
レス) id: 3c182f7e4d (このIDを非表示/違反報告)
常田。(プロフ) - 突然のコメントをお許しください。このお話、とっても面白くてハマってしまいました！不死川さんも富岡さんも推しキャラだから、もうヒィヒィですよ！応援しています！更新、楽しみにしていますね！ (2019年10月13日 23時) (レス) id: 89f5f989ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：有馬 | 作成日時：2019年9月21日 15時
