37: 神宮寺寂雷の世界 ページ38
零れる涙は、まるで朝露のように美しかった。
琥珀の瞳が寂雷を真っ直ぐに見つめていた。
彼の口から漏れる嗚咽を
頬を伝う想いのかけらを
寂雷は微笑みで包んだ。
私が行ったことは、彼の救いには程遠いのだろう。
けれど__
細い腕を引き、雪切の柔らかい髪に指を通す。首筋に温かいものを感じる。
それはまぎれもなく、人の体温。
私は
この宝石のような瞳に、光を灯したかった。
人形のような彼に
感情を与えたかった。
そうだ
偽りの世界で、ただ独り純粋な彼を__
彼の瞳を__
___人間にしたかったんだ。
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Last(プロフ) - カナリアさん» ありがとうございます。僕自身も今作の主人公はお気に入りです。これからも堪能していただければと思います。 (2018年12月28日 12時) (レス) id: ec5508f4a5 (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - 主人公くんが可哀想で可愛くて個人的にダイレクトでした…… (2018年12月27日 22時) (レス) id: 90bd7d6cd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Last | 作成日時:2018年11月24日 20時