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激昂する彼は、どんどん表情が剥がれ落ちていく。
どこを見ているのかわからない虚ろな瞳。
それは、蛹から蝶が孵るのと、全く逆の反応。枯れた植物が土へ還っていくように、夜が街を包むように。静かに、ただ深々と。
「私は君を、あのまま放置しておくことはできなかった。」
「…。」
「家族のために身を削ってお金を稼ぐ君を、見てはいられなかった。」
「……。」
「たとえ君が何と言おうと、君をスレイヴのように扱う彼女を許すことができなかった。」
「………。」
「それは、＿＿君を哀れに思ったからではない。」
「…………＿＿？」
「君は、人間だから。」
顔を上げる。
ただ、笑顔だった。
すべてを包み込むような優しさにあふれていた。
それはまるで
化石を蘇らせるように
花が光に首をもたげるように
朝が訪れるように
彼を、「人」にした。
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Last(プロフ) - カナリアさん» ありがとうございます。僕自身も今作の主人公はお気に入りです。これからも堪能していただければと思います。 (2018年12月28日 12時) (
レス) id: ec5508f4a5 (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - 主人公くんが可哀想で可愛くて個人的にダイレクトでした…… (2018年12月27日 22時) (レス) id: 90bd7d6cd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Last | 作成日時：2018年11月24日 20時
