【碧棺左馬刻】鳴かぬ蛍が身を焦がす【男主】

てめえも男なら ページ4

「A、どこへ行くんですか？」
『あっ、銃兎さん！お疲れ様です！』


車の窓から声を掛けられ振り向くと、銃兎がAを発見し、停車したようだった
飼い主を見つけた子犬のように近づいてくるAに銃兎はため息をつく


「今更ですが、A、あなた、懐いた人にそうやって近づくのやめなさい」
『失礼っすね…オレだってついてっちゃやばそうな人くらいわかりますよ！』
「そうではなくてですね…まあ、いいでしょう。相手が左馬刻にどうされようと知ったことではありませんし」


銃兎さん、また小難しいこと考えてんのかな

Aが呑気に首をかしげる


「ああ、そうそう。それで、どこへ行こうとしていたんです？買い物の帰りですか？」
『はい！アニキが腹減ったってんで』
「……それで、なぜネギが飛び出しているんですか」


Aの買い物袋には明らかに食べるものではなく食材が入っている


『それが、さっき…』



「A、腹減った」

『なんか買ってきましょうか？』

「あ？コンビニなんかで腹が膨れるかよ」

『んじゃあファミレス行きます？』

「んな誰が作ったか知れねえもん食えるかよ」

『あれ？アニキ山盛りポテト好きじゃなかっ…いてっ！！』

「うるせえ。おいA」

『はい、アニキ』

「てめえも男なら、料理くらいできんだろ？」



銃兎が呆れが10割を占めるため息をつく
気づいていないAもかなり凶悪だ


「そういうことなら事務所まで送りますよ。最近暑いですから、食材をだめにしてはいけないでしょう？」
『いや、事務所じゃなくってアニキん家(ち)っす』
「は？」

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