【入間銃兎】運命だけど、恋じゃない。【男主】

100上がった！ ページ6

ゴン。


風呂場の壁に頭を打ち付けた。事故ではない。



「はぁぁぁ……。」



入間銃兎29歳既婚者。
現在情けのない顔をしている。



「あークソ可愛いか。」



ニヤニヤする。だめだこんな顔を見られたらドン引きされるに決まっている。


つうかなんだ良妻を目指してるのか？可愛い。

しかも聞かれたくなかったのか…何でもないとか可愛い。

唐揚げ焦がしちゃって俺に出せないって次は上手になって食べさせてくれるのか？期待すんぞおい。


この間だって、冷蔵庫に頭から突っ込んで『ふぎゃッ』とか可愛いか。

思わず笑いそうになった。


最近俺の表情筋が全力で笑顔を規制しているおかげで逆に筋肉痛だ。



＿



運命の番。

見つけた瞬間、強烈に引き寄せられた。


困惑した目を一杯に見開いて、その瞬間、ぶわっと全身に浴びたフェロモンには正直理性が持っていかれかけた。

欲しい欲しい欲しい欲しい
俺のもの俺のもの俺のもの



そして俺のものになった。



暫く一緒に暮らしてわかったのだが、俺の嫁は可愛い。
仕事しながら自炊してるところも偉い。
ちょっと天然でドジなところも可愛い。


結婚して以来好感度の上がり方がおかしい。


少しばかり強引に婚姻の手続きをしたが、正解だったな。
他の番がいなかったのも良かった。

ああ、本当はもっと早く帰ってきて一緒に料理を作って夫婦のようなことをしたい。





……しかし一つ難点がある。

彼はもしや俺のことをあまり好いていないのではないか？
それどころか本当は婚姻自体したくなかったのでは？



「なぜなら……Aは俺のことを未だに『入間さん』と呼ぶんだぞ！！」

「知るかウサポリ用がないなら帰れ。」

「嫁の愛おしさなんて同僚に語れるわけ無いだろもし興味持たれたらどうすんだ！！」

「だったら俺様にも話すんじゃねえ！！」

「銃兎は妻を大切にしているのだな。」

「理鶯は問題ないしお前はしょっ引いて解決できる。」

「おい手前表出ろや。」



だめだこれは目を閉じただけでAが。



「あぁぁぁ早くあの声で名前を呼ばれたい……。」

「本人に言え。」

「銃兎、もう番の儀式は済ませたのだろう？ならば他の者を気にする必要は」

「……してない。」

「は？」

「まだ噛んでない。」

「はぁぁぁ！？」



うるせえ左馬刻…。

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