キスとプロポーズ ページ30
「ごめんなさい弁償ですかですよねああでも俺今お金がっていうかいつも金欠だけどって今お金を得る手段がああああ！！？」
入間さんのスーツがスーツでスーツに
なんの出汁だかわからない汁が飛んでしまった。
入間さんは、呆然としている。
ヤバイ
もしかしてこのスーツはおじいさんか誰かの形見だったりするんだろうか。
そう言えば入間さんの御両親はもう無くなっているらしいしって余計にヤバイだろ！！！？
あ、死んだわ。
俺死んだわ。
「落ち着けA。小官がこの汚れ落としの効果のある果汁を使って落としてやろう」
今日ほど他人が頼りになったと思う日はないだろう。
「それだ！！それです理鶯さん！！ああじゃあ入間さん脱いでくださいほら早く脱いで！！はやく！！
＿＿＿＿＿あ」
入間さんのスーツを脱がそうと俺はグイっと襟を引いた。
シミになる前に急いでいたことは認める。
けれども
これ、傍から見たら入間さんが襲われているように見えるんじゃないのか？
っていうか
今にも鼻先がつきそうな、顔＿＿＿＿
ふにゃ
一瞬、息が止まった。
一拍遅れて理解した、唇の感覚。
あれ、これ………キスされた？
顔が離れたら吸い込まれそうな翡翠色の瞳が、真っ直ぐ俺を捉えていた。
そしてさきほど俺をとらえた唇で
「A、愛しています。結婚してください」
愛の言葉を紡いだ。
『へ？』
唐突だがこの時俺の脳内ではなぜかだるま落としが行われていた。
そしてなぜか胴体部分ではなくてっぺんの頭が叩き落されたのであった。
スポーン！！！
といった具合に俺の頭は奇妙な衝撃を受けた。
そして自動的に平常運転に切り替わった脳みそで思ったことは
そのフラグはどこで発生したんだ？
ということである。
だってだって！！俺は迷惑かけていただけだし特別なことなんて何もしてない！！
それ以前に俺は、もう、結婚してる！！
いや違う。それが世迷言だとしても突っ込まなければいけないのはこの期に及んでは一点だけだ。
『……愛してる、とは？』
「オメガや運命なんて、関係ありません。愛しています」
『あ、はい』
いや、ハイじゃなくてさ。
え？
なにこれ？
気遣いか何かだと思ったのは一瞬だけ。
あんまり真剣な顔で言うから。
オメガも運命も関係ない
俺をひとりの人間として愛して、る？
『＿＿＿ッ！！？』
理解した瞬間、自分でもわかるくらい顔が熱くなる。
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Last(プロフ) - 抹茶タピオカ2号さん» 抹茶タピオカ2号様、ありがとうございます！今後の励みになります！ (2021年4月4日 12時) (
レス) id: 359977b810 (このIDを非表示/違反報告)
Last(プロフ) - どぽぽさん» どぽぽ様、ありがとうございます！読んでいただけてとても嬉しいです。 (2021年4月4日 12時) (レス) id: 359977b810 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶タピオカ2号 - ヤバいですねもう最高です。神ですか？神なんですか？もう最高過ぎます。口のニヤニヤどうにかしてくれませんかねｯｯ？！？！(((殴とても面白かったです！完結おめでとうございます！！神作品ありがとうございました！！！！！ (2021年3月15日 0時) (レス) id: 055f35baff (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ(プロフ) - はぁ、好きです。好きすぎてしんどいです。夢主くんと入間さんの関係性が凄くタイプです。読んでいる間ずっとニヤニヤ口角が緩みました笑もっと早くこの小説と出会いたかったです。過去の自分を強く呪ってます…。素敵な小説ありがとうございます！！ (2021年3月4日 14時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
Last(プロフ) - てる。さん» わーい、ありがとうございます。 (2021年2月10日 18時) (レス) id: 359977b810 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Last | 作成日時：2020年3月20日 22時
