【入間銃兎】運命だけど、恋じゃない。【男主】

ウサギに噛まれると ページ17

なんかさっきから視線を感じる。

これが周囲からの好奇の視線なら全然耐えられる。けど……


入間さんめっっっちゃこっち見てる。


え？おかしくない？おかしくない？これはおかしいよな？
俺クリーニングのタグつけっぱなしだっけ？私服なのに。もしかしたら超自然的な怪異で今、クリーニング屋さんのタグが付いてしまったのかもしれない。


しかも割と血走った目で見てる。


ええええともしかして入間さんが嫌いなクリーニング屋さん(？)のタグがついているのかもしれない。つまり俺は口に出さないうちに入間さんに対して嫌がらせを行っているのでありこれは宣戦布告ということになるのかな？俺は何をいっているんだ？



「……………Aさん」
『はぃいッ！？』



ぼそっとひそひそ話をするような声で名前を呼ばれる。
俺はびっくりしてマンガの様に両手をビクッと持ち上げた。

入間さん風邪ひいてましたっけ？朝は元気でしたよね？それとも突発的に風引いてます？


っていうか見てる見てる見てる！！！！


俺の首元辺りをじっと見てる！！！
さっきと違って向かい合うみたいな恰好だからわかるけど…もしかして俺の首を手折って埋める算段でもたてているのでは…？灰にされるのでは？



「あの、A…さん……」
『は、はい』



命日なのかなぁ？命日なのかな。
せめて一回くらいは女の人と付き合ってみたい人生だった。

まるで見苦しいものでも見るような眼で入間さんが俺をじっと見つめる。
運命の番だけどそれ以上でも以下でもねえんだぞっていう顔だな。きっとそうだ。

だって急に汚らわしいものを見る目から営業スマイルにスタイルチェンジしたもん！！
リージョンフォームか？ア○ーラの姿か？



「この時間帯は人も多くなってきますし何があるかわかりませんし何かあってからでは遅いですよね？私は腐っても警察官ですから市民の安全を守らなくてはなりませんのでそう、転ばないように。そう！転ばないように！！………手を繋いでおきましょう？」

『は、はぁ……』



では、と入間さんが俺の右手を包む。
ものっっっそい眩しい笑顔で。


もしや手錠代わり！！！？


つまり、運命だろうとオメガになんぞ触りたくねえが迷惑かけられるとこっちが困るんだよいっそのこと手錠でもかけて置きてえくらいだ。
ってことだな！？

しっかり歩幅合わせてくるのもそういうことなんだな！？
やっぱ入間さん怖いわ。

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