【入間銃兎】運命だけど、恋じゃない。【男主】

運命的ですね？ ページ15

仕事でワンダくんも落ちて、また暇になった。
改めて、仕事無いと俺って空っぽな人間だな。




『……出るか、外』




謹慎とは言われたけど了解はしてないし？
お金はないけど、周りの流れに乗って歩いていればいいか。

スーパー以外に買い物にも殆ど行ったことないし。休みの日も大体寝てたし。




『っし、行くか！』



＿＿




「成る程。これはその部長さんに直接伺った方が早そうですね」



うちの妻がお世話になりました。とね。

……今、あの子はなにをしているだろうか。
おとなしく家で寝ているだろうか。
今晩は一緒に食事ができるだろうか。

あぁぁぁ…新婚っぽいことがしたい。



「まさか新婚っぽいことをする前に泣き顔を見ることになるとはな…」



顔を真っ赤にして涙を流す姿に……そそられた。
もしあれ以上の濃度のフェロモンを出されていたら確実に食べていた。


受付嬢から熱っぽい視線を感じつつその部長を呼び出す。
警察手帳を見せればごり押しもできるのだろうが…。

今はAの夫として来訪している。



「入間Aの夫とお伝えください」



探せばぼろぼろと不正が落ちてくる。
俺の妻にさえ手を出さなければ、関係のない話だったのですけどね。



俺のモノに手を出すから。









「……あぁ、フザケルナ」



あの下種、開き直りやがった。
まぁ周りに人がいるところで騒いで自爆してくれたのは手間が省けたが。


不倫、横領、そのうえ社員への強制わいせつ。


今すぐ記憶から抹消したい、が。
アレがAにしたことの方が、抹消するべきだ。



「俺のオメガに触りやがって……。」



こんなことならもっと早く調査しておくべきだった。
あんな最悪な労働環境に2年間も身を窶していたわけだ。

きっと今までオメガとして酷い扱いを受けてきたのだろう。
だから線引きが分からなくなった。



抱きしめた時、腕の中で肩の力が抜けた。
愛おしい。
もっと甘やかしたい。



…会社の奴らはAの名前もろくに知らねえ。
結婚して苗字が変わったことにも気付いていない。


＿あぁ、あのオメガの人ね。
＿ねぇあの人、あのオメガの子の番なんだって！もったいなくない？


腐った会社だな。
ああ、Aの元に帰って癒された、




「い」
『え？』




……おかしいな。願望が見せる幻想か？




『えーっと……』
「……。」




幻想だろうと本物だろうとどちらでもいい。




「おっと、どちらへ？」
『ひぃッ…！！』




失礼な。

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