検索窓
今日:1 hit、昨日:10 hit、合計:34,013 hit

9 ページ9

グリグリ


唐突に後ろから頭を揺すられ、心臓が跳ね上がった



「ちょ、何すんだテメ」

「お待たっせ。二郎」

「Aさんかよ…」



腕を振り払うと、満面の笑みを浮かべたAさんがいた
大人っぽい服
すっげえモテそう



「んで、どーすんの?なんか考えてきた?」
「それが、全然」



今日Aさんと出掛ける約束をしたのは、ある目的があるからだ



「一郎にプレゼントねえ…正直何渡しても喜ぶだろ、アイツ」
「それじゃだめなんだよ!!三郎よりいいもん渡さねえと…」
「三郎くんも渡すのかよ…」



日頃の感謝を込めて兄ちゃんにプレゼントを贈ると
三郎と決めた

でも俺は兄ちゃんが何をしたら喜ぶのかわかんねえ
兄ちゃんならなにしても喜ぶんだろうけど、それじゃだめだ



「ま、とりあえず歩くか」



めちゃくちゃ呆れてるため息と一緒に、Aさんは歩き出した
俺よりも、兄ちゃんよりも高い頭を追っかける

_



「で、どうすんだ」
「うーん…うーん……」



Aさんのおかげで色々候補はできたけど…



「どうしたら三郎より…」
「二郎、お前。それやめろよ」
「え?」



渋い顔をしたAさんと目が合う
相変わらず呆れてる



「それ?」
「三郎より三郎よりって。一郎にプレゼントするもんで張り合うんじゃねえ」
「でも」



軽く小突かれる
今日一番のため息いただきました



「お前は三郎くんに勝ちたいから渡すのか。それとも、一郎に感謝してるから渡したいのか」
「……あっ」



そうだ……俺、三郎三郎って
兄ちゃんのこと考えてない
こんなんじゃ、兄ちゃんを喜ばせらんねえ



「ごめん、Aさん…」
「俺に謝んなよ」

「Aさんなら、なにプレゼントする?」
「俺…?」



面倒くさそうに首を傾げ、暫く考えぽつりと口を開いた



「財布、かなあ…」
「大人っぽい!!」



ニヤリとAさんが笑った



「でも俺、あんま金ねえし…うえ、うえりんとん?とかはちょっと…」
「ウェリントンは時計だ、馬鹿」



そんなこんなで、プレゼントを選んだ
兄ちゃん、喜んでくれるかなあ……



「Aさんって、兄ちゃんと仲いーんだろ?」
「普通」
「兄ちゃんみてりゃ俺でもわかるぜ」



兄ちゃんは、Aさんのことがめちゃくちゃ好きだ



「Aさんは、兄ちゃんのこと好きじゃねえの?」
「俺は……」

10→←8



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (74 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
200人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Last(プロフ) - ショコラさん» 残り数話ですが頑張って更新再開します。お待たせして申し訳ございませんでした…! (2019年12月11日 23時) (レス) id: ec5508f4a5 (このIDを非表示/違反報告)
Last(プロフ) - 遥翔さん» 長らくお待たせしてしまい申し訳ございません。ぼちぼち更新を考えております。ありがとうございます…! (2019年12月11日 23時) (レス) id: ec5508f4a5 (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ(プロフ) - 完結出来るその日まで、待ち続けます!ゆっくり休んでください (2019年10月19日 12時) (レス) id: 66813c167e (このIDを非表示/違反報告)
遥翔 - ずっと気長に待っているので安心して休んでください! (2019年10月18日 23時) (レス) id: fbd4c1da15 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Last | 作成日時:2019年9月7日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。