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2人の間の微妙な空気
でも、俺にとってかけがえのない時間
決まり悪そうに俺の頭から手を引いて
機嫌悪そうに話を促すAさん
でも
『逃げねえから。ゆっくり話しな？』
『今日めちゃくちゃ早口』
あの蜂蜜みたいに甘い笑顔の後じゃ
繕ったって、嬉しいだけで
なんだかんだ俺のこと、よく見てくれてる年上のこの人
言えるわけねえじゃんか
でも、言わねえと…
ほんの少しでも、一緒に、いたい
そんな切羽詰まった思いとは裏腹に
Aは結局、話さなくてもどこにもいかないことを、一郎は知らない
「二郎と……出かけたって、聞いて」
「……嫉妬したのか」
「しょうがないじゃないすか！！好きな人が、知らねえところで、こう…誰かと仲良くすんの」
なんか、嫌だ
と
実の弟にまでそんな目を向けてしまう自分は、言ってて正直、重い
「お前ほんと俺のこと好きな」
前もそんなことを言われた気がする
その時はまだ自覚無くて
からかうように笑われて
でも今は、呆れたようにため息交じりで
「好き、ス」
でも嘘つくことなんて、今更
できるわけねえ
「……」
その瞬間、Aさんはふと興味を無くしたように席を立った
「Aさん？」
この人の背中は、不安になる
俺を不安にさせる
「なあ」
酷く平坦な声で
たまにAさんはこうなる
今まで俺はしつこくしないできた
帰るって言われたら今日はおしまい
Aさん本意にしてきた
だから、思うんだ
いつかこの人が、ふらっと目の前からいなくなって
もう二度と、会えなくなって、後悔するんじゃないか。って
「俺に彼女ができたら、どうすんだよ。お前は」
俺の顔を見ないで
半分振り返った顔は
視線は
どこか悲しそうで
なんでそんな顔すんのか、俺にはわからなかった
でも、俺にはわかってることがある
その疑問は何回も想定した
「その人のこと、Aさんが好きなら、諦める」
人に好かれるAさんが
誰かにとられるって、考えないわけない
「でも」
そう、でも
「Aさんがそうじゃないなら、俺は。奪ってでも、Aさんを取り返す」
ずっとずっと
決めてたんだ
好きな人を好きにさせんのは、
俺だって
「俺はお前のもんじゃねえよ、バカ」
そう言って振り返ったAさんは
いつもみたいに、不機嫌そうで
それでいて
ほどけるように、笑ったんだ
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Last(プロフ) - ショコラさん» 残り数話ですが頑張って更新再開します。お待たせして申し訳ございませんでした…！ (2019年12月11日 23時) (
レス) id: ec5508f4a5 (このIDを非表示/違反報告)
Last(プロフ) - 遥翔さん» 長らくお待たせしてしまい申し訳ございません。ぼちぼち更新を考えております。ありがとうございます…！ (2019年12月11日 23時) (レス) id: ec5508f4a5 (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ(プロフ) - 完結出来るその日まで、待ち続けます！ゆっくり休んでください (2019年10月19日 12時) (レス) id: 66813c167e (このIDを非表示/違反報告)
遥翔 - ずっと気長に待っているので安心して休んでください！ (2019年10月18日 23時) (レス) id: fbd4c1da15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Last | 作成日時：2019年9月7日 23時
