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「どうしてお前はそこまでするんだ」
「は？」
「…だから、どうしていつも俺に構うんだって聞いてんだ」
怒っているのだろうか
銃兎は俺を睨んだ
俺は、隠していた下心をつつかれたようで一瞬焦った
それでも
「お前、俺のことを可哀想な奴だとでも思っているのか」
そんな見当違いなことを言われ
俺は、笑った
「馬鹿言うなよ」
「…なんだと？」
「俺はお前のことを可哀想だなんて思ったことない」
思ったことなんてなかった
ただ元気になってほしくて、乗り越えてほしくて
ただそれだけのこと
「じゃあ…どうしてだよ！！」
どうして、と聞かれ
俺はもう、親友だから、なんて言えなくなっていた
苦しくて苦しくて
張り裂けそうだった
蓄積された言葉
「好きだから」
苦しいのが自分だけなんて思うなと
今思えばただの自己中だ
「銃兎のことが好きだから、助けたいって思う」
どうしたかったのかなんてわからない
ただ知ってほしかっただけのようにも思えるし
自分が楽になりたかっただけのようにも思える
けれど
今の銃兎にそんな告白をしたって
何を言われるかなんて、予想できていたはずだ
「…お前、何言ってんだ？」
予想できていたのに
それでも傷ついて
「…俺が弱っている隙に付け込んだのか？」
懐疑的な目
違う、と即答できなかった
あわよくば、なんて甘いことを考えていたのは本当だから
「月貴、お前＿＿」
一番傷ついているのは
銃兎だったはずなのに
「＿＿最低だな」
忘れようとした記憶
そう
全部
忘れようとした
「絶交だ。二度と、俺に関わるな」
実際、忘れていた
シンジュクに逃げて
もう二度と会う事もないだろうとたかを括って
「気持ち悪い」
最低ですよね
俺が銃兎を追い詰めた
俺が
俺のせいで
銃兎を…
「違うよ」
「でもッ…！！」
「それは違う。どんな形であれ君は彼を支えようとした」
「それが、銃兎を追い詰めた」
「違う。支えようとした君に非はない。ただ、タイミングを間違えただけ」
「タイミング…？」
「君も彼も、もう十分苦しんだだろう。だから、いい加減顔を上げなさい」
その柔らかい笑顔が
俺は好きだった
温かい体温が
大きな掌が
俺を救ってくれる
全部
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Last(プロフ) - いおさん» ありがとうございます。詩的な表現に気を遣っていたのですが、そう言っていただけてとてもうれしいです。完結までよろしくお願いします。 (2019年6月1日 21時) (
レス) id: ec5508f4a5 (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - 素晴らしすぎる作品ですね…!続きが気になり過ぎて堪らないです!!文章も綺麗で、何から何まで素敵な作品です…!!これからも頑張ってください…!! (2019年5月28日 23時) (レス) id: 1d7aa46e15 (このIDを非表示/違反報告)
Last(プロフ) - 彩華さん» ありがとうございます。お話も割と終盤ですが今後も楽しんでいただけるよう頑張ります。 (2019年5月26日 15時) (レス) id: ec5508f4a5 (このIDを非表示/違反報告)
彩華(プロフ) - しんどい…好き…めっちゃ心抉られるくらいキュンときます…俺的にはどストライクすぎます。作者さん好きです（） (2019年5月25日 0時) (レス) id: 3d53cc1cd6 (このIDを非表示/違反報告)
Last(プロフ) - 腐女神さん» ありがとうございます。完結まであとわずかですが今後とも気長に待っていただけると幸いです。 (2019年5月19日 2時) (レス) id: ec5508f4a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Last | 作成日時：2019年4月27日 1時
