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最近、先生が冷たい
いや、冷たいというか…素っ気ないと言った方が合っている
「先生、最近忙しそうだから、ストレスが溜まっているんじゃないか？」
と、独歩には言われたが
かと思えば
「週末は空いているかい？久しぶりに食事にでも行こうか」
など甘やかしてくる
定期的に会うようにはしているし、忙しくても時間を作ってくれる
機嫌が悪い日に偶々会っているだけだろうか
いや、先生は人前で機嫌の悪さを出す人ではない…筈だ
余談だが、銃兎とはその後も上手く行っている
先生に劣らず多忙を極めている上に、文明の利器、電車をもってしてもあまり頻繁には会えないが
「月貴君？」
「え」
ぱっと見ると、眉を顰める先生の顔
今日は先生の家で映画を見ていた
先生の隣に座って
「大丈夫かい、ぼうっとしていたようだけれど」
「あ、ええ…すみません」
「気分が優れないようなら、無理をする必要は無いよ？…それとも、つまらなかったかな」
「いえ！！先生と一緒にいられて、幸せです」
言ってしまってから、自分でも頓珍漢な返答をしてしまったと焦ったが、先生は微笑んで俺と額を合わせる
「ふふ、そうかい」
いつまで経っても、この距離に慣れない
「それは嬉しいけれどね、月貴君。君はいい加減名前で呼ぶことに慣れたほうが良い」
「う…はい」
＿
「面白かったね。一作目を見たことが無くても楽しめたよ」
「もうすぐ最新作が公開されるらしいですね」
すると先…寂雷さんは俺の頭を優しく撫でる
「今度時間が合ったら観に行こうか…その前に、一作目を見る方が先かな」
一作目、という単語にふと昔を思い出す
「…俺、これの一作目、見たことあるんですよね。学生の頃、銃兎と…ふふ、懐かしいな」
「…そう」
その相槌の後、寂雷さんは早々にテレビを消した
冷たい、いや、俺が重いだけ？
「寂雷さん？」
「もう寝ようか。明日は始発で帰るんだろう」
目が笑ってない
けれど寂雷さんは俺の手を引いて寝室へ引き込む
寂雷さんの体躯に合わせたベッドは、縦幅はともかく横幅は広い
二人で寝るには丁度良かった
「お休み、月貴君」
「おやすみなさい」
頬を触る仕草が好き
けれど、最近は抱きしめてくれないんだな、と
欲張りなことを考えてしまうのだ
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Last(プロフ) - いおさん» ありがとうございます。詩的な表現に気を遣っていたのですが、そう言っていただけてとてもうれしいです。完結までよろしくお願いします。 (2019年6月1日 21時) (
レス) id: ec5508f4a5 (このIDを非表示/違反報告)
いお(プロフ) - 素晴らしすぎる作品ですね…!続きが気になり過ぎて堪らないです!!文章も綺麗で、何から何まで素敵な作品です…!!これからも頑張ってください…!! (2019年5月28日 23時) (レス) id: 1d7aa46e15 (このIDを非表示/違反報告)
Last(プロフ) - 彩華さん» ありがとうございます。お話も割と終盤ですが今後も楽しんでいただけるよう頑張ります。 (2019年5月26日 15時) (レス) id: ec5508f4a5 (このIDを非表示/違反報告)
彩華(プロフ) - しんどい…好き…めっちゃ心抉られるくらいキュンときます…俺的にはどストライクすぎます。作者さん好きです（） (2019年5月25日 0時) (レス) id: 3d53cc1cd6 (このIDを非表示/違反報告)
Last(プロフ) - 腐女神さん» ありがとうございます。完結まであとわずかですが今後とも気長に待っていただけると幸いです。 (2019年5月19日 2時) (レス) id: ec5508f4a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Last | 作成日時：2019年4月27日 1時
