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彼のバス停 ページ4

朝の忙しさで、天気予報まで確認していなかった。




バス停目前にして、何かをひっくり返したような、と表現されるにふさわしい雨が降り始めた。





傘はない、バスもまだあと3分ほどこない。

家に取りに帰る時間もない。





最悪…




焦ってもどうにもならないこの状況に最も向くのは諦めで、



雨空を見上げたり、腕から滴る雨を拭ったり、



諦めると案外時間は早く過ぎる。



あっという間にきたバスに乗り込んだ。






いつも座っている席は空いている。

でもこのずぶ濡れで座ることはできない。





いつも彼が立っているその場所に立って、


濡れて顔にまとわりつく髪を直した。





20分前、サラリーマンの特等席になってたはずのそこには、

小さな巾着を膝の上においたおばあちゃんが座っていた。




いつもと違うバス、

学校までの時間、雨で濡れているせいで携帯すら取り出す気にならない。



バスの進行方向を時折見て、

ただ時間をやりすごす。





いつも彼がのってくるバス停についた。

彼は今頃学校だろう。





なんとなく下を向いて自分の足元に溜まる小さな水たまりを軽く踏んだ。



バスのドアが閉まる音がした直後、

一人分を開けた隣、

乗り込んできた誰かが並んで立ったのがわかった。




反射的にそこをみると、


この時間にはいるはずのない、彼の姿があった。

もしもの世界→←20分後の風景



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設定タグ:恋愛 , 玉森 , キスマイ   
作品ジャンル:恋愛
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ぽる(プロフ) - ひろこさん» ひろこさん、はじめまして(*_ _)とっても嬉しいコメント、ありがとうございます!この作品、結構な長編になるかと思います。最後までよろしくおねがいしますm(*_ _)m (2017年8月1日 14時) (レス) id: 4bd9f67569 (このIDを非表示/違反報告)
ひろこ(プロフ) - 初めまして。ぽるさんのお話いつも読ませて頂いてました。新作、すでに物語に引き込まれてます。ぽるさんの世界観が好きです。 (2017年7月31日 20時) (レス) id: a3585ccc5b (このIDを非表示/違反報告)
ぽる(プロフ) - ちゃんたまさん» ちゃんたまさん、お久しぶりです!また来てくれてすごく嬉しいです!ありがとうございますm(*_ _)m 是非是非最後までよろしくおねがいします! (2017年7月29日 0時) (レス) id: 4bd9f67569 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんたま(プロフ) - 新作嬉しいです!続き楽しみにしています! (2017年7月28日 22時) (レス) id: 97dc92da5c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽる | 作成日時:2017年7月28日 20時

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