にわか、トリップしてから2年経ったってよ【文スト】

・人生万事塞翁が虎＿7匹 ページ8

〈主said〉


如何も、Aです。

国木田さんに電話した後、何とか岸に上がって座って居る敦君と、何故か余裕な表情で立っている太宰さんの元に辿り着く事が出来ました。

前まで自分が居た場所から此処まで、結構距離があったけど…息切れ一つも無い。


コレは探偵社に入社してから早2年。荒事ばかりの依頼を熟して来たら、いつの間にか体力が付いていました。


……と、早く敦君達の所に行かなくては。



俺は重い買い物袋を抱えながら、土手を滑り降りた。

途中、太宰さんに「奇遇だね」って言われて思わず怒っちゃいました。



え？だって、仕事もせずにブラブラ歩いて。やっと今日依頼に行くと思ったらまた自○行為…。

なんか…逆に慣れちゃいますよね。




太「まぁとは云え。人に迷惑をかけないクリーンな自○が私の信条だ。」



如何言う信条なんだろうか。
あ、ほら。敦君も「如何言うこっちゃ」みたいな顔してますよ。



太「だのに、君に迷惑をかけた時点でそれは此方の落ち度…何かお詫びでも＿＿」



そう言った瞬間

突然、誰かのお腹の音が鳴り響いた。

皆さんお分かりでしょう。そう、敦君のお腹の音です。



その証拠に。敦君の顔が、少し赤くなっているからです。恥ずかしいのでしょうか？



敦「あ、…えっと、その…」

太「空腹なのかい？少年」

敦「先刻、Aさんから麵麭を貰ったんですけど……数日何も食べてないお腹は満たされませんでした…。」

『嗚呼、やっぱりアレじゃ足りませんでしたか…。』

敦「いやいや！食べ物を恵んでくれたのに！そんな事言わないでくだs(ぐうぅ…



また、誰かの腹が…否、言わなくても消去法で誰か分かりますよね。



太「奇遇だな。実は私もだ」

敦「それじゃあ…」

太「因みに財布は流された様だね。」




視線をゆっくり此方に向けながら言う太宰さん。

……コレ、俺が奢れって事??





『…俺、買い物分のお金しか持ってってませんよ？だから、今は小銭しかありません。』

太「ちえっ」

『”ちえ”じゃないですよ。と言うか年下に払わせる気ですか?大人気ない。』

敦「そんなぁ〜……。」


〈敦君に対して〉「ごめんね」と言おうとしたら…


「やっと見つけたぞ！この唐変木！！！」






向こう岸から、国木田さんが呼び掛けて来ました。1番苦労してるのは、国木田さんですね…。

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