7話 ページ7
その後、モンド城の近くでトワリンから降りて歩き出す。
ジンも目を覚まし、ディルックの無事を聞いたからか安心したような顔をしていた。
が、その顔はすぐに心配の表情に変わった。
一「お゙がえ゙り゙っ、ゴホッ ゲホッ、ゲヒュッ」
ディル「あれだけ大人しくしてろと……家にいると聞いて様子を見に来ればこれだ!少しくらい声を出さないで生活をしてみたらどうなんだ!?」
一「それっ、は、ゲヒッ、俺からしたらっ、カハッ、拷問と同じなのだっ、グフッよエ゙ッホエ゙ッホ」
と額に脂汗を滲ませ、口元にハンカチを当て顔を歪めながら咳をする。
空「休んで……休んで一夜……」
一「?なぜ、ケホッ、俺は十分休んで、ゲッホエッホエッホ」
ゲホゲホと咳をしながら心底不思議そうな顔をふる一夜の背をゆっくりと撫で、水を差し出すと、ありがとう……と受け取り少し飲む。
一「ケホ、とにかく、みんなの無事を確認できて良かったのだよ。」
水を飲んだことで咳が落ち着いたのか顔色が少し良くなった一夜が安心したようにふわりと笑った。
ウェン「ほんと、よく帰ってこれたよねぇ。」
ジン「あぁ、ところで一夜。君の友人?に龍は居るのか?」
とジンが聞くと、一瞬、分からないという顔をしたもののなにか思い当たる節があったのか、いるよ。と答えた。
一「まぁ、龍は龍でも彼はもうずっと前、約4000年程前に絶滅したと言われる龍の生き残りらしいのだよ。」
知ってたかい?と人差し指を頬に当て悪戯っぽく笑う。
それを聞いてワナワナと震えるジン。
ジン「よっ、4000年前絶滅した龍!?保護は、保護はされていないのか!?」
ディル「らしいぞ、聞いた話だが、保護した国が崩壊した。という逸話があるほどらしい。」
と、顎に手を当て答えるディルック。
あれからもうそんなに経ったっけ?と頭を悩ませるウェンティ。
その横で、しかし、モンドで保護をした方が安全だろう!?と慌てるジン。
全長25〜6mくらいあるけど、どこに保護するんだ?と首を傾げる一夜。
その光景を見ながらあぁ、モンドに帰ってきたんだなぁと実感していると、なぁ、栄誉騎士殿?と一夜と目線が合う。
その顔を見た時そういえば言ってなかったと、ただいま!と言うと少しキョトンとした後今かい?と笑い、おかえりなのだよ、空。と頭を撫でた。
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作者名:虎左衛門豹太郎(本人) | 作成日時:2022年9月20日 2時