雷電の翼竜 (ページ14)

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12話ページ14

コツコツとヒールを鳴らし、マフラーを羽ばたかせながら璃月港に向かう一夜。

その手には雷を纏った槍が握られており、これから始まるであろう戦いに心躍らせ、禍々しい雰囲気の海を期待と興奮の混ざった目でじっと見ていた。

一「来た！」

水面から巨大な水獣が現れ、辺りには心を震わせるようなおどろおどろしい、それでいて喉に纏わり着くような重い空気が当たりを包む。

一「ふは、んふっ、アッハッハッハッハッ！！いい！楽しいのだよ！！」
ピン「これ、龍の！」
一「ん？あぁ婆やか……誰かがお呼び？そうじゃないのなら俺はやることがあるから失礼するのだよ。」

と一声で言い切ると手を振り、荒れ狂う海へとダイブして行った。

魈「っ、龍の子はまだ来ないのか！？」
ピン「すまんねぇ、逃げられてしまったよ。」

またか！と怒りを露わにする魈。
ファデュイの猛進も止まらず、どうすればと相手を睨みつけると上空から細くそれでいて鋭い雷の槍が大量に降ってきた。

空「わっ！新手の攻撃！？」
甘「いえ、これは……！」
魈「やっとやる気になったか怠け者め……」

と魈が見る先には水獣よりずっと大きいであろう龍の姿。
モンドにいた時、ディルックが乗っていた龍だと気づくのにそう時間はかからなかった。

空「あの龍、あの時の！」
パイ「あぁ！ディルックの旦那を乗せてた龍だ！」

おぉーい！と手を振ると答えるように低い声でひと鳴きして雲の隙間へと入っていった。