虹色63 ページ18
ドォオォォォォォン!!!!
鼓膜が破れるんじゃないかと思うほどの衝撃音と、揺れで目が覚めた
あ、勝負…なつ、ナツは?!
ぱっと顔を上げ、目の前を見る。
その光景には驚いた以外の言葉が出てこなかった
はるな「うそ…」
私が見た光景…
倒れているジェラール、その前に立つナツ
ナツ「!はるな」
はるな「ナツ!」
倒れそうだったナツをエルザが受け止める
エルザ「お前は本当に凄い奴だ…ナツ」
ゴゴゴゴ....
はるな「こ、今度は何ぃ…」
何が起きているのかは分からなかった
でも、私は察した
エルザ「外に出るぞ!はるな!」
ナツを抱えたエルザが言う
はるな「うん!」
あ
私はひとつ、気がかりなものがあった
はるな「エルザ!忘れ物した!すぐいく!先行ってて!」
エルザ「なっ、はるなぁぁ!!!っ、クソ、もう行ってしまったか…」
エルザはきっと、私の言葉を信じて、先に外に出たはず…
ごめん、エルザ、その約束、果たせるか分からないけど、でも、この機会を逃したらもう二度と会えないような気がして
ジェラール「!一緒に行かなかったのか?」
はるな「聞きたいことが、あって…」
どんどん建物が崩れていく中私は話し出した
はるな「ジェラール、〇〇って、しってる?」
ジェラール「さぁ…初耳だ。」
はるな「…そっか…よし!ありがとう!」
ジェラール「…何を、する気だ?」
はるな「確か、これ、入ったら私が動かせるんだよね?この建物」
ジェラール「っ、やめろ、」
はるな「昔ね、私を助けてくれた人がいたの。あなたと全く同じ顔をしている。名前まで一緒…でも少しだけ匂いが違う。でもさ、なんて言うか…放って置けなくて…
私がジェラールを助けてあげる。」
私はラクリマの中に体を入れた
ジェラール「なっ!やめろ!そんなことをしたらっ!」
ジェラールは傷だらけの体を無理に動かし、私の元に来ようとする
はるな「いいの、私ね、思うんだ。エルザにはあなたが必要だって。だからね、ずっとそばにいてあげて?
私は、沢山のものを貰いすぎた。もうこれ以上、何も望まない。あとはみんなが、ギルドのみんなが笑って生きてくれれば、それでいいんだ。
うぅ…っっ…〜〜!」
声にならない痛みが襲う
大丈夫。私は、やりきる。
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作者名:toramaru08 | 作成日時:2020年5月22日 23時