せんせい と 恋心 【 こ.ろ.ん 】

＊ 208 話 ＊ ページ9

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あの頃の2人見たく 恋人の真似事を繰り返す

こんなやり方で、せんせい を取り戻そうなんて思ってない。


そもそも私が招いたこと、戻ってくるはずがない。
でも、少しのきっかけが欲しかった。


どう思ってるのかぐらい教えてくれてもいいじゃん。



「 最近るぅとせんせーと仲良いね？……まーさーか？ 」


『 まーさーか じゃないよ。なんもない、ちょっと相談乗ってもらってるだけ 』


「 へぇー。んで？振り切れたの？ 」


そんな簡単に振り切れるわけない。

そんな軽い愛で すき だなんて言ってないよ。
それが出来たら今こんなに辛い思いするはずない。





「 せーんせっ？放課後空いてないのぉ？ 」


「 えぇ、それはちょっと 」


「 いつならいーの？デートしたい 」


「 ちょ、声でかいって 」




その顔は私だけのものだと思ってたんだけどな
気付いたら他の誰かのものになってたんだね。

いつまでも 特別な子 じゃ居れないんだね。
ごめん、わたしだけずっと引きずっててごめんね。


びっくりだなぁ、まるで恋愛映画の中盤のような
失恋して、切なくて自暴自棄になる主人公みたいだね


ヒロインなんて私には勿体ないけど。


「 Aちゃーん、えへへ。…プリント運びに行くから手伝ってくれない？ 」


『 うんっ… 』


セーターの裾で目を擦る。

また前みたいに 泣き虫だな って笑ってよ。
私は何も変われてなかったよ、大人になれた気がしてたんだけどね。


せんせい の前じゃ、大人になれないよ。



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