せんせい と 恋心 【 こ.ろ.ん 】

＊ 227 話 ＊ ページ28

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せんせいのシートベルトが音を立てて外れる。

車が僅かに軋んでグッと距離が近付く。
私の膝の上に乗られては身動きが取れない。


「 顔隠すの禁止、もー、手邪魔 」


両手首を捕まえられて窓に押し付けられる。

辺りが真っ暗でよかった、誰か来ても見られることは無い。
止めて って言っても今のせんせいは止まれそうにないから。

空気に流されてしまえば私もそう。
止まれそうにない。


「 やっとちゃんと顔見れた。…ね、すき？ 」


『 っ、うんぅっ、すきぃっ 』


「 っ……うん、ぼくもすき 」


なんの隔たりも無く すき って零してくれることが何より嬉しくて たった2文字で一生分幸せになれる。

すき の共有が出来るってなんて素敵なことなんだろう。


「 キスしていい？ 」


『 やさしーのがいい 』


「 それはどうかな。…… 我慢できそうにないかも 」


目はとろんと垂れているのにこんなにも大人っぽくて今にも食べられちゃいそうな 雄 を醸し出して

そんな顔知っちゃったらもうせんせいのこと教師として見れないよ。


「 僕のことだけ見てて？よそ見しちゃダメ 」


せんせい の事しか見えてないのに。

よそ見なんてしてる暇も無い程ずっとせんせいに魅了されてる。


せんせいでいっぱい過ぎてもう何も入ってこないよ。



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