* 211 話 * ページ12
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私の気持ちが空にも伝わっているのかポツポツ雨が降り出した。
折りたたみ傘持ってきておいてよかった。
前までの私なら持ってきないフリして入れてよなんてワガママ言ったんだけど
そうも上手くいかないみたいだから。
『 あっ、……先生忘れてってる 』
国語の教科書、後ろにデカデカと先生の名前が記載されていた。
赤の付箋がぺたぺたと至る所に貼られていてマーカーで線引きされている。
まだ職員室にいるだろうか、寄って帰ろう。
持って帰って明日学校に行ける確証も無いし、無いときっと困るだろう。
真っ暗になった校内に私の足音がこだまする、こんな時間まで残ってたのはいつぶりかな。
唯一職員室のあかりだけが灯っていて少し安心した。
『 ……莉久先生いらっしゃいますか 』
ほとんどの先生が帰宅済なのかガラ空きでまるで人の気配を感じない。
明かりがついているんだし誰かしらいるんだろうけど見渡す限り無人である
『 あの〜、だれか〜 』
「 ……うわっ! 」
中に入ってみると 後ろから声が聞こえる。
バサバサ っとプリントが下に落ちる音、下を見ればよく見覚えのある靴が目に入った
「 …………どうかした? 」
『 ぁっ……教科書、莉久先生の忘れ物です 』
「 うん、貰っとく 」
私の為に発したその言葉、いつぶりだろうね。
私の目を見て言ってくれなくなっちゃったのはやっぱり悲しいけど、せんせい の 声が聞けて嬉しいな。
やっぱダメだ、忘れられない
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こもれび - これからも楽しみにしてます!おつかれの出ませんように… 長文失礼しました (2021年1月1日 9時) (レス) id: 7ea795325b (このIDを非表示/違反報告)
こもれび - こんにちは!とても面白くて一気読みしちゃいました!あの、烏滸がましいんですが、ところどころ誰と話しているのか分からなくなります…(私の読解力の問題だと思うのですが) 申し訳ないのですが、出来れば誰なのかセリフの前に名前を入れるなどして頂けると有難いです (2021年1月1日 9時) (レス) id: 7ea795325b (このIDを非表示/違反報告)
神楽 - 初コメ失礼します!白兎さんの小説最高です!やっと、うまくいったんですね!感激です( ;∀;)小説読んでこんなにうおおおおおってなったの初めてです!これからも応援してます!頑張ってください! (2020年12月16日 12時) (レス) id: 3b0a144783 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - くっついたああああああああ、!!、!! (2020年12月10日 15時) (レス) id: 75f0fcdf4f (このIDを非表示/違反報告)
み - 白兎さんが書く小説がとっても好きで、続きを毎日楽しみに思って過ごしてます!笑 視点が変わってさらにワクワクしちゃってます!いつもお疲れ様です! (2020年12月4日 22時) (レス) id: 144a96a903 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白兎 | 作成日時:2020年11月28日 18時