推しくんと付き合っちゃった話 【 ころん 】

220推しくん ページ22

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S side


美味しいって頬に米粒付けちゃうくらい勢いよく食べてくれた。

笑った顔の方が可愛いよな、女の子は。


「 いつもご飯どうしてんの？ 」

『 わたし、料理が破滅的に出来ないので…こ、ころんくんが合間を縫って作ってくれてて、』

喧嘩しちゃったらそうもいかねーよな。

彼女の手に見えた無数の傷は きっと頑張って料理しようと思った頑張った証に見える。


「 この前はどうしたん？Aちゃんが怒るところ見たこと無かったからびっくりしたわ 」

「 なにか理由があったんだよね？ 」

俺より年下のはずなんだが なーくんとジェルは俺より年上に見える事がある。

人に優しく接するって事を誰よりも器用にこなせる人達だと思う。


『 ころんくん、辛くても苦しくても何があってもすぐ溜め込んじゃってなかなか頼ってくれなくて、いつも周りのこと優先して自分のこと後回しで、そんなんじゃいつかころんくん、壊れちゃうって、』

全部2人の優しさのせいで起きてしまった。

迷惑をかけたくなかった彼奴と頼って欲しかった彼女

もっと上手な言い方はあったはずなのに強く当ってしまった、下を向いてポロポロと涙を流していた。


『 頼って欲しいだけなんです…。無理していつもカッコつけるから、心配になっちゃったんです 』


「 それ、ころんに伝えな？言わなきゃ通じないこともあるよ 」

なーくんが彼女の頭をポンポンする。

なーくんが撫でる度にとめどなく溢れ出す彼女の涙
あの優しい声がよく耳に残る。


バッと後ろを向けば ピースサインをした二人が立ってた。

俺たちの出番はここまでかな


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