ただ、あまい 【 るぅと 】

＃７４ ページ28

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毛先をくるりと巻かれて、編み込みは綺麗

お互いお揃いの衣装に髪型

クラスのみんなからの評価は高かった。


「 接客とか出来んの 」

『 た、ぶん…』

接客業って実は大の苦手で今までのバイトも極力人と関わらないものを選んできた。

丁寧な言葉遣いとか難しいし、初めましての人に話しかけるなんて緊張する。

だから向いてないと思う。


「 絶対できないやつじゃん。なんかあったら僕がなんとかするよ 」


こういう仕事とか得意そうだよね。

この前まで居酒屋でバイトしてたみたいだし手馴れてる。
今日は彼に頼りっきりになりそうだなあ。


「 てか思ったより、衣装際どくね？ 」

『 もー、どこみてんの！ 』


思ってたよりスカートの丈が短かったり、網タイツだったり、こんなんで接客とかもっと無理なんですが

とてもじゃないけど平常心保てないのですが。


「 今ここに僕しか居なくてよかったね 」

どういうことかよく分からなくて首を傾げると
はぁっと大きい溜め息が零れた。

頑なに私の方は見てくれなくて、ずっと床を凝視している。


「 忘れてるかもだけど、ぼくAのこと好きなの。そんな格好、襲うよ？ 」


たとえ彼氏持ちだろうが関係ないって付け加えられ
彼との距離が縮まる。

吐息が直に感じられて、私の顔はきっと真っ赤
なんなら蒸発してしまいそう。


「 ふっ、かわいい 」



蒸発した。



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