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【坂田銀時】ずるいひと【銀魂】2 ページ15

私には彼氏がいた。いた……と何故過去形で言うとかと聞かれたら、私の先程の行動を思い出してくれれば、ある程度察しはつくだろう。今日は彼氏の家にいってご飯を作る約束をしていたのだが、当の本人はそれを忘れていたのだろう。貰った合鍵で家に入ると、私の知らない女の人と情熱的なキスをしていた。呆気に取られている私とは反対に、妙に冷静な彼は一言「終わりにしよう」とだけ告げて私を追い出した。

そして、この事を銀さんに伝え終わると、銀さんは私の隣に移動し、肩を抱き寄せた。

「そっかそっか……そいつぁ辛かったなぁ」

そう言ってまた私の頭を優しく撫でると、とうとう涙が堪えきれなくなった。そんな私に銀さんは子供をあやす様に慰めてくれた。
暫く泣き続ける私に、銀さんはお水を持ってきてくれた。震える手で受け取り少し飲む。すると水を飲んだ分だけ気持ちが落ち着いてきた。

「いやー、まぁ、勿体ねぇ事をする奴がいるもんだ。」
「…っえ?」

さっきまで優しかった目は急に鋭くなる。

「こんっなに可愛いくて、一途に思ってくれるいい女そうそういないのになぁ」
「…そん…な事……」
「そんな事あるよ。…………ねぇ、元彼くんが浮気相手にやってた情熱的なキスってどんなのだった?」
「!!……なんでっ……そんなこと……」

嫌な事を思い出したくない私にとって、それは酷な質問だった。また涙が溢れてしまいそうだ。すると、涙を堪える私の両肩を押さえつけ、ソファに固定された。銀さんを見上げながらとても困惑している私とは裏腹に、彼はまるで獲物を捉えた獣のような顔でこちらを見ていた。

「全部俺が塗り替えてやるよ。アイツにされた事も、何もかも。」
「ちょっ!!ぎ、ぎんさ……」
「原因はなんであれ……俺はずうっとこの時を待ってたんだ。アイツなんかより幸せにしてやる」

手を添えられた顔に段々と熱が集中していくのが分かる。

「ねぇ、俺と付き合おうよ」

いつか誰かが言っていた。失恋した直後の女は落としやすいって。そんなわけない。ありえない。そう思っていたのに……。今こうやって迫られているこの状況に、不覚にもときめいてしまっている私がいる。

「返事は?」

あぁ、なんて、ずるいひとなんだろう。

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設定タグ:イナズマイレブン , 銀魂 , ヘタリア   
作品ジャンル:アニメ
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打楽器屋(プロフ) - 光華さん» 嬉しいコメントありがとうございます! (2020年9月15日 8時) (レス) id: e2be3355c2 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - 土方さん格好いい!!! (2020年9月13日 19時) (レス) id: e4678e2dff (このIDを非表示/違反報告)
打楽器屋(プロフ) - 香織さん» こちらこそリクありがとうございました(*´ω`*)これからも続けて頑張ります! (2016年6月20日 22時) (レス) id: 87848b158f (このIDを非表示/違反報告)
香織 - やばい!可愛いよウァレリアヌス..罪だね←ありがとうございました! (2016年6月20日 19時) (レス) id: 54fa6b7b00 (このIDを非表示/違反報告)
香織 - ありがとうございます! (2016年6月18日 1時) (レス) id: 54fa6b7b00 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:打楽器屋 | 作成日時:2016年6月16日 0時

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