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ページ27

「燕青…!」

「っ、今のデュエル中にあいつは…!」

「リボルバーは何れお前を攫いにくる!その時、お前はすべてを知るだろう。失った12年前の記憶とともに…!」

「12、年前…?」

それは写真に記された年号と明らかに同じもの。ハノイプロジェクトの悲劇は10年前。つまり、燕青はリボルバーと12年前から知り合っている。燕青が考える姿とは別。ファウストが何か言いた気に口を開くも、それをAiが制止し、Play makarは何も気付かぬままファウストにとどめを刺す。

ファウストがDボードから落ちる姿。


「Play makar!君は人類の未来を自らの手で……!!」


落ち、消えゆく姿。



その姿に燕青は目眩がした。次に、ツキツキと痛む頭。そうだ、私はわたしは……。


脳裏に過ぎるのはいつもの白い世界じゃなく、むしろその逆。赤一色の世界だった。幼いAは、煙に包まれた赤い一面で大声をあげる。

『パパ…っ!ママ…!だれか、誰か助けてっ!!パパとママが…!!お願い、誰かっ…!!!誰かーーっ!!!』

彼女を抱きしめるようにして動かない父と母。ガソリン臭く、煙に巻かれたそこは赤い、火焰(ほのう)の世界。自身の左腕が車の下敷きになり、隣には彼女を庇った母と父が赤い、生々しい血を垂れ流して…。

助けてくれたのは、誰だったか。どんな…。あぁ、そうだ…確かパパの知り合いの…。その人が私を引き取ってくれて……。




「燕青!」

「っ…!!」

燕青は戻ってきたPlay makarの声によって、再び理性を取り戻す。あれ、私今、何を見て……。燕青の脳裏に過ぎった記憶はもう無かった。

怖いことなんて忘れてしまおう。今の自分には彼しか見えないんだから。

燕青が正気を取り戻し、ロンリーブレイヴが燕青の隣にいるPlay makarへと頭を垂れて謝る。彼は何も悪いことをしてないのに、しょんぼりと落ち込む姿。燕青は少し同情した。

「Play makar、それに燕青…今日はほんとごめんなさい」

「…前に進む勇気はあるか?自分の進む道は自分で切り開け。たとえ困難な道でも」

「あれ?Play makar。珍しく饒舌(じょうぜつ)じゃないか」

「うるさい、行くぞ燕青」

「ふふ、じゃあねロンリーブレイヴ。今度会う時は別の場所でね」

ロンリーブレイヴに背を向けログアウトするPlay makarとは逆に、燕青は彼にひらひらと手を振ってログアウトする。

自分の手で…。その言葉をロンリーブレイヴはその場で噛み締めた。

プレス機と私→←絶望に染まる赤



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設定タグ:遊戯王 , 遊戯王VRAINS , 藤木遊作   
作品ジャンル:アニメ
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遊真 - これから主人公がどうなっていくのかが凄く気になります!これからも頑張ってください! (2019年8月14日 16時) (レス) id: 70b9e10207 (このIDを非表示/違反報告)
リナ - しゅりんぷさんの作品、早く読みたいです! (2019年8月6日 23時) (レス) id: cfdd277789 (このIDを非表示/違反報告)
篝月(プロフ) - 初めから読んだので、続きが凄く気になります! (2019年5月24日 23時) (レス) id: 7982b0814b (このIDを非表示/違反報告)
しゅりんぷ(プロフ) - 白哉さん» コメントありがとうございます。ソウルバーナーいいですよね。いつか二人も出せるようにしたいなとは思っております。それまでどうかこの小説とお付き合い願えたら嬉しいです。 (2019年4月1日 1時) (レス) id: a80e55b6ef (このIDを非表示/違反報告)
白哉 - できたら穂村尊とフレイム(ソウルバーナー)を出してほしいです。 (2019年1月20日 17時) (レス) id: 8418d83dca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しゅりんぷ | 作成日時:2017年12月13日 0時

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