猪突猛進的犯罪 ページ6
怪しまれないように、車から目的地数十メートル手前で降りる。Aと遊作はそこからは徒歩で、マンションへと向かう。並々の高さのマンションが並ぶ住宅街。医者という職業もあってか、そこはとても良い物件だとAも一目でわかる。
『おいおい本当に行くのか?ここがハノイの奴らのアジトかもしれないんだぜ?』
「だったら尚の事だ」
「取り敢えず行ってみなきゃわかんないでしょ、これしか手がかりないし」
取り敢えず猪突猛進という二人に、Aiはぼそりとバーサーカーソウルかよ…と呟いた。そんなAと遊作は自身の必需品であるインカムを取り出し、ひと通りの動作を確認して耳につける。昔からこんな風に危険と隣り合わせなことはそれなりにやって来ている、それを活かすためのインカムや盗聴器。ボイスレコーダーに護身用のナイフ等は二人にとっては欠かせない必需品。いつも持ち歩いているものだった。腹を括ったAに比べ、Aiは未だに乗り込むことに駄々をこねているようだ。
『お前ら、喧嘩強いのか?』
「その目で確かめろ」
そう言った遊作の隣に並び、自動ドアを堂々とくぐる。こういう時はキョロキョロしている方が逆に怪しいからだ。Aは遊作の運動神経がそれなりにいいことを知っている。Aもまた然り。護身術は基礎だ。エレベーター前のフロント、管理人室の小窓から覗くAIロボットが二人に話しかけた。
『何号室に御用ですか?』
「……」
『どなたをお尋ねですか?』
黙ったままの遊作にAiが何か喋れと、焦った様子を見せる。それでも喋る気のない遊作、そんな彼とは裏腹にAが口を開いた。
「pg(lwEkted@)=ms]。0;、uyd@kutjul。」
『……iyd)4a(4。thiy thiy thiy。』
『A、お前……』
日本語ではない、かと言って外国の言葉ではない何か。それを言葉と呼んでいいのか分からない、文字の羅列と発音をただ組み合わせただけのような言葉にAiは驚く。これで多少は時間稼ぎできる、驚いているAiには目もくれずAは安堵の表情を見せた。驚くAiとは裏腹に、遊作はこんな状況を何度が見たことある様で、相変わらず何を言っているのか分からないと言いたそうな顔で彼女を見つめていた。
66人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
遊真 - これから主人公がどうなっていくのかが凄く気になります!これからも頑張ってください! (2019年8月14日 16時) (レス) id: 70b9e10207 (このIDを非表示/違反報告)
リナ - しゅりんぷさんの作品、早く読みたいです! (2019年8月6日 23時) (レス) id: cfdd277789 (このIDを非表示/違反報告)
篝月(プロフ) - 初めから読んだので、続きが凄く気になります! (2019年5月24日 23時) (レス) id: 7982b0814b (このIDを非表示/違反報告)
しゅりんぷ(プロフ) - 白哉さん» コメントありがとうございます。ソウルバーナーいいですよね。いつか二人も出せるようにしたいなとは思っております。それまでどうかこの小説とお付き合い願えたら嬉しいです。 (2019年4月1日 1時) (レス) id: a80e55b6ef (このIDを非表示/違反報告)
白哉 - できたら穂村尊とフレイム(ソウルバーナー)を出してほしいです。 (2019年1月20日 17時) (レス) id: 8418d83dca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しゅりんぷ | 作成日時:2017年12月13日 0時