【遊戯王VRAINS】空白アルビレオ２【藤木遊作】

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｢ほらね、言ったじゃん。1時間って！｣

『別にSOLのお上様がどうなろうとどうでもいいけど、Aちゃんのドヤ顔はなんかむかつく〜』

｢なんでさ！！｣

｢Ai、黙ってろ。Aも喜んでる場合か｣

結局電脳ウイルスを作ったやつの手がかりは見つからなかったんだぞ。そう言いながら未だに手を止めない遊作と草薙に、Aはにやりと微笑んでそれはどうかな！と声を上げた。そんなAに不振そうに目を向ける二人と一人。それを構いもせずにAは画面に映る様々なデータファイルの中からひとつ、データの山から取り出した。

｢これ、さっきSOLのAI部隊データを盗んだ中から見つけた情報｣

｢何だ何だ？｣

文字の羅列、その中から出てきたのはさっきのAI部隊の戦闘記録のようなものだった。モニター前の真ん中に座るAの前を覗き込むように草薙と遊作が顔を寄せる。Aは既に目を通したそれについて簡潔に説明を始めた。

｢AI部隊の数は約1000体、そんなAI部隊も序盤はハノイの30%は倒してたみたいなんだけど…｣

｢しかしその後は全滅、結局AI部隊はハノイに然程歯が立たなかった。それは俺達も知っている情報だぞA｣

｢…なんだけど！ここ、見て。AIが敗北した相手の決闘者ID、Bから始まるこのIDとFから始まるこのID、殆ど二つしか見当たらない｣

『つまり……どういうこと？』

｢このAI部隊たちの敗北記録は殆どが、ここに書かれている二つのID。つまり、僅か二人で1000体に近い部隊を追いやった…そう言いたいんだろ？｣

｢そうだよ…まぁ、これがウイルスを作った首謀者に繋がってるとは限らないんだけど……。ハノイの強力な決闘者、つまり絶対に倒さなきゃいけない二人ってことには間違いないかな｣

｢充分な収穫だ、引き続き進めるぞ｣

遊作は再度手を動かす前に数秒、Aの頭を撫でると再び作業に戻る。遊作が褒めてくれた、その事実にぽぽぽっと顔が熱くなり、頬に手を当てるA。嬉しい、そんな感情が頭を覆い尽くす彼女は知らない。このあと家にも帰れず、地獄のデータ捜索作業が徹夜で延々と続くことを……。

後の祭りともいう→←・

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