【遊戯王VRAINS】空白アルビレオ２【藤木遊作】

・ ページ7

｢っ！？ブルーエンジェル！？なんで…｣

｢貴方がPlay makerのお友達？仲間？彼に頼まれたのよ。こっちにもう一人、AI決闘者が来てるはずだからって｣

｢よ、余計なお世話だ！僕は1人でも…っ｣

｢はいはい、Play makerには借りがあるの。あんたの意見なんてどうでもいいし、勝手にやらせてもらうわよ！｣


手に持った鞭で、敵を放り投げたブルーエンジェルが燕青の後ろからボードに乗って足を進めている。彼の心境には、勝たなきゃ…ともう一つ。身バレはやばい！という、心の声が響き渡った。彼女は自分の後輩、キャラ作りをより一層強めて強がれば、彼女はそれを知らぬ顔で手を貸す。

正直、めっちゃ助かる！！自分、デュエリストとしては三流だし！！というか、初心者！！

燕青の心の声がうるさく騒ぐ。彼女が神か…、と内心手を合わせた。女神様だ…、拝ませてほしいくらいに…。彼の心の声と態度は一致しない。こんなに心では叫べど、外面はイケメンフェイスだ。AIデュエリスト一体を連れて、道を逸れたブルーエンジェルを横目に燕青は気合を入れ直す。

｢……僕も負けてらんない、ここで勝たなきゃ男が廃るよな！｣


…まぁ、男じゃないんですけど。

自分のドローフェイズだとカードを引いて、デュエルを進める。この後、五ターンほど跨いで燕青はデュエルに勝利した。それもこれも、戦略ではなくほとんど運で勝てたようなものなのだが。

『おっまえ、無茶するなよ…！！』

｢えへ、ごめん！でも勝てたし結果オーライ？｣

『ばーか、ギリギリだった癖に…。ブルーエンジェルが助けてくれなきゃ敗北だったな』

｢そういうのって言わないお約束でしょ！！｣

『Aの方は片付いたようだし、遊作の方にマイク切り替えるぞ。場所はわかるよな？』

｢大丈夫、地図覚えてるし｣

『その記憶力をどこかで活かせよな…、じゃあ気をつけろよ。何かあったら指示する。後、身バレしないようにキャラ切り替えろよ』

｢はいはい、じゃあね｣

完全にマイクが切れたことを確認して、Aは先ほどと同じようにスクーターで足を進めた。

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す